蜜柑 けまい14+仙蔵 忍者ブログ

蜜柑

杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

けまい14+仙蔵


やっぱり、自分は伊作と仙蔵が仲良しなのが好きらしい。
仲良しなだけで何もないのよ、この二人は。
そんなのがいいの。


なんというか、留離れしたい伊作と伊作離れ出来ない留の話のつもりで書いたのですが・・・。
でも伊作もなんだかんだ言って留離れ出来てないねとか思うのです。
留離れしたいけど、やっぱり留好きなんですね。
留は伊作の事、好きすぎてしょうがないんだと思う。
でもって、自分は留大好きだっ!


杉⇒留⇔伊作


↑こんな感じです。
勿論自分は一方的に愛向けてます、ふははっ。


話戻って、今回の話のけまいの二人、伊作は留の横を歩いていたくて、でも留は伊作を守りたい的な、ちょっとこの二人考えてる事違いますけどって感じです。


自分は伊作には出来る子であって欲しいので、留より大人な感じで行きたい。
うん。そんな感じでっ!



お話はこちらから↓↓




仙蔵はある部屋の前で足を止めた。
「伊作、いるか?」
声をかけると戸が開き、中から留三郎が顔を出した。
「伊作なら居ないぞ」
「何処へ行ったかわかるか?」
「さぁ、医務室じゃないのか?」
「……そうか」
仙蔵は少し考えてからその場から離れた。
伊作が居そうな所といえば医務室なのだが、医務室には部屋に寄る前に寄ったのだ。それ以外となれば自室か裏々山の可能性が高く、仙蔵は裏々山まで足を伸ばした。
得に急ぎの用事があるという訳ではないのだが、ただ、伊作が裏々山に居れば仙蔵の目的は達成される。
伊作がこの裏々山でいる可能性のある場所は三箇所。
保健委員の用事で来ていなければその三箇所のうちの何処かに居る筈だった。
仙蔵は気配を消してその場所へ近づく。



(まずは一つ目…)



少し離れた所から仙蔵は様子を伺うが、そこには何の気配もなく、音もしない。
そして、誰もいないとわかると仙蔵はその場所を確認した。
「ここではなかったか…」
仙蔵はすぐにその場から移動し、次の場所へと向かった。
目的の場所へ向かう途中から気配を消して近づき、さっきと同じように少し離れた所から辺りの様子を伺う。



(……ここでもないか?)



やはりここにも気配はなく、次の場所へと向かおうとした時、背後に何者かの気配を感じて振り向くと、手裏剣が仙蔵目掛け飛んできた。
仙蔵はその手裏剣を避けるのだが、完全には避けきれず、長く美しい髪がハラリと落ちる。
だが、仙蔵はそんな事は気にせず、懐からクナイを取り出し構えると、更に飛んでくる手裏剣をクナイで弾き飛ばした。そして、すぐに手裏剣の飛んできた方を見るのだが、そこには人影すら見えない。
 


(……いるな…)



人の姿は見えないが手裏剣が放たれた一瞬に、仙蔵は確かに気配を感じたのだ。
手裏剣を弾き飛ばした時、そこから動く影は見えなかったから、まだそこに居る事は確かだった。
仙蔵は口元に笑みを浮かべ、クナイを握り、気配のした方に飛び込んだ。するとそこに一つの人影を見つけ、仙蔵はその影を追う。
「逃がさん」
だが、居るはずの人影を見失い、仙蔵が辺りを見回し探していると背後に殺気を感た。
「逃げる気なんてないよ、仙蔵」
「そう来なくてはな、伊作」
キンッと音をたて互いのクナイが擦れ合う。
そして、伊作は仙蔵に向かい一歩踏み出した所でぬかるみに足を取られて尻餅をついた。
「いったぁ…」
さっきまでの鋭い視線と殺気が嘘のような気の抜けた声が伊作から漏れると、泥だらけになった身体を起こす。
その姿を見た仙蔵は深い溜息をつくとクナイをしまい、伊作の前にしゃがんだ。
「大丈夫か?」仙蔵が手を差し出すと伊作はその手を取り、『大丈夫』と言って笑った。

 
 
(これがなければいいんだが…)
 
 
  
仙蔵は泥だらけになって笑う伊作を見てそう思う。だが、思うのは今回だけではない。
伊作の成績は性格の問題も有り、成績はお世辞にも良いとは言えないが、仙蔵の成績は入学してからずっと上位を維持し続けている。
だが、現在この二人の実力差は殆どない。 
仙蔵と伊作は何の打ち合わせもなく、たまにこうやって軽く手合わせをしているのだが、そのせいか今の二人の技術的な差は殆どないのに、戦績は仙蔵の全勝だった。
伊作は演習を失敗してばかりいるから、せめて実技だけはと密かに修業していたのだ。この事は仙蔵しか知らない。
仙蔵がたまたまこの場所を通り掛かった時、一人で修業をする伊作を見つけたのだ。
それからはたまに二人で手合わせをするようになった。
それのおかげで伊作の実力は飛躍的に向上したものの、相変わらずの不運で、いつもいいところで手合わせが中断された。
「伊作、お前は相変わらずだな。良い所でいつもこうだ…」
「はははっ、ホント参るよね」
「本当にな」
仙蔵は懐に入れていた手ぬぐいを取りだし、伊作の顔を少し乱暴に拭いてから、汚れの酷い背中に回って泥のついた髪を拭いた。
 「ありがとう」

「髪が酷い事になってるからな」
伊作は仙蔵に髪を拭かれながらうずくまる。
「どうした?」
「何か悔しい…」
「実力はあるのに有り得ない程の不運だからな」
伊作はいいところまで仙蔵を追い詰めるのだが、最後にはいつもの不運で勝負がついてしまうのだ。
演習の時も試験の時も、いいところまでいくのに、肝心なところで不運にも失敗する。
不運に見舞われても大丈夫なように修業をしている伊作だが、今の実力ではまだ己に降り懸かる不運を振り払う事が出来ないようだった。
伊作は仙蔵に負ける度に落ち込んでいる。
しかし、こればかりは仙蔵にもどうする事も出来ず、今は伊作の汚れた髪を手ぬぐいで優しく拭いてやる事しか出来なかった。
「伊作、帰ったら風呂に入れよ」
少しでも伊作の気分がスッキリするようにと、仙蔵は風呂を勧めてみる。
「うん、そうするよ」
伊作はそう言って仙蔵に笑顔を向けた。
そして、投げて木に突き刺さっている手裏剣を抜き、伊作はそれをしまって帰り支度を始める。
「僕はこんなだし帰るけど、仙蔵はこれからどうするんだ?」
「私は暫くここに居ようと思うが…」
「でも、もうすぐ雨が降るよ」
伊作は空を見て、空気のにおいを吸い、そこから微かな雨のにおいを感じ取る。



(雨か…)

 
  
仙蔵も空を見上げた。雨のにおいには気づかなかったが、伊作に言われてようやく仙蔵もそれに気づく。
 「なら止めておこう。火薬がしけってしまうからな」
「うん」
二人は少し足を早め学園へと急ぎ戻る事にした。
 



学園に戻った伊作は仙蔵と別れて部屋へと戻る。
雨には降られなかったが、学園に戻るまでに何回か転んだり、塹壕にはまったりしていたから服は勿論、全身が既に泥だらけだった。
伊作が部屋の戸を開けると、中で壊れた用具の修理をしていた留三郎が、

「仙蔵が探してたぞ」

と声をかけるが、顔を上げた途端に手が止まる。
留三郎が顔を上げると、全身泥だらけの伊作がそこに立っていたのだ。
「た、ただいま…」
「お前、それどうした…?」
「ちょっと転んじゃって」
伊作が風呂に行く為に服一式、手ぬぐいと桶を用意していると、留三郎の気配がすぐ後ろまで近づき、汚れた髪に触れてきた。
「すげーどろどろだな」
「そんなに酷い?一応、仙蔵に拭いて貰ったんだけど…」
 


(……仙蔵、か…)



少し前、仙蔵は伊作を探していた。だが、留三郎は伊作の居場所は知らず、仙蔵に教えてやる事は出来なかった。
伊作のいる所といえば殆どが医務室で、たまに薬草を採りに裏々山まで足を伸ばしている。
恐らく仙蔵は医務室に居ない事を知り、裏々山に向かったのだろう。
今回の伊作の汚れ方から見て、医務室ではなく裏々山に居た事は間違いないのだが、どうやって見つけたのだろうと留三郎は思うのだ。
裏々山は広い。
その裏々山で薬草を採りに行った伊作を見つける事はかなり難しいのだ。
だが、その伊作を仙蔵は見つけた。 裏々山に行った伊作を仙蔵はいつも見つけて来る。


「伊作、裏々山で……」



仙蔵と何をしてた―――――?
 



伊作は肝心な事は何も言わない。いつも傍にいたいと思うし、知りたいと思うのに、伊作は笑うだけで何も語ろうとはしなかった。

何故いつも伊作の傍にいるのは仙蔵なんだろう?

留三郎はそれが少し悔しかった。
それに、伊作の髪を拭くのはいつも留三郎の役目だった。
ずっと隣にいたから、気づいたらそれが普通になっていたのだ。
でも、留三郎はそれを嫌と感じなくて、寧ろ髪を拭いてやった時の伊作の笑顔がたまらなく好きだった。
自分に向けられたその笑顔が大好きだったのだ。
けれど、いつの間にか伊作は留三郎にそれをさせなくなった。
『大丈夫』だと笑ってその手を拒むのだ。それなのに伊作は仙蔵に触れさせる。
留三郎はそれが悔しかった。
あまり考えないようにはしているが、留三郎にも独占欲というものが人並みにある。
でも、伊作は多くは語らない。
肝心な事は何も…。
「留三郎…?」
髪に触れたまま口を噤んでしまった留三郎に伊作は身体を向けて腕を首に絡ませると、小さく『ごめんね』と呟いた。
伊作はただそう告げてきた。
何について謝っているのかは告げずにだ。
留三郎が試しに、

「何が?」

と聞けば、

「何だろう?」

と伊作は笑う。
そんなに何か聞きたそうな顔をしていたかと、留三郎は思った。
でも、それがわかっているのに謝るだけで何も言わないのはズルイ。
先に謝られたらもう何も聞けなくなってしまうから。
「伊作、髪洗ってやるよ」
「うん。じゃあ、僕も洗ってあげる」
「そうだな。お前とこうしてたら俺も汚れたし」
「ははは、ごめんね」
「別にいいよ。こうしてるの好きだから」
留三郎も伊作に腕を回し、強く抱きしめた。
「僕も好きだよ」
伊作もまた留三郎を強く抱きしめ、相手が泥で汚れてしまうのも構わず汚れた顔をすりつかせた。
すると、

ポツ
 
と、屋根から音がして、次第にその音は大きくなった。



(あ、雨……)



伊作は留三郎の肩越しに外の方へ視線を向けた。
戸が閉まっているから見えないけれど。
 


(雨で洗い流せばよかったかな…?)
 


伊作はふとそう思う。
留三郎の腕の中は暖かく、触れてくる手は優しくて心地好いから、つい甘えてしまうのだ。
甘えたくないから留三郎には何も言わない。



それなのに―――――――




「留三郎、そろそろ風呂に行こう」
少し離れようと伊作はそう切り出してみた。


けれど……


「ん、もう少しだけ」



留三郎にこう言われたらもう拒めなかった。
伊作はそんな留三郎をズルイと思う。


「………じゃあ、もう少しだけ…」
伊作はそう言って静かに目を閉じた。

拍手

PR
  

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 

主張したいっ!!

ラスク部

ラスク部

Web clap

拍手はこちら

ありがとうございます!(><)

拍手コメントの返信は、雑記にて書かせていただきます。


もし何かあった場合はこちらにお願いします。
oremen●hotmail.com(←●を@に変更してください)

検索/サーチサイト

ブログ内検索

カウンター

アクセス解析

Copyright ©  -- 蜜柑 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]