蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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めぐり会いは再び2
まだまだ続きます。
今回は食満さんも伊作さんもでてきません。
つなぎ部分なのでこんなものです。
オリキャラというか名前のないキャラクターが動きます。
次の部分が長いので、それ待ってるといつアップできるかわからないから今回アップしてみましたー!
では、また原稿に戻ります。
お話はこちらから↓↓
村外れの広場から音楽と歌が流れてくる。
舞台のリハーサルをしているのだけど少し様子がおかしく、慌ただしかった。
『はぁ…、一体どうすればいい?』
何かに困っているらしく、一人の男がそう言った。
『……仕方ない。初めからだ』
困り果てる男に更に別の男が、困りながらもそう提案していた。
『ええっ!?』
最初の男が驚いた。
『じゃあ、幕を開けるわよー』
今度は女が幕を開けると合図した。
すると…、
「幕を開けるとそんな事言ったってもう二十五回目だ…」
そう愚痴をこぼしながら幕の間から男が出て来た。
出て来た男は持っていたハンカチを振りながら、オーバーなリアクションを取り口上を始める。
「さて、皆様。これからご覧頂きますのは、入れ替わりの喜劇!…いや、悲劇?あぁ…まぁ…とにかく劇!涙有り!笑い有り!波乱万丈の物語ぃー……のはず…」
男の口上は最初は力強いのだけれど、途中でとても曖昧になる。不安さが滲み出ていた。
「まぁ、とにかく始めますよ。音楽スタート!」
すると口上の男の周りにいた劇団員達が踊り出し、音楽が流れ、幕がゆっくりと開いていく。
『今より少し、遠い昔。
遠くて近い、とある国のお話。
ひねくれ者の王子様と王女様がおりました。』
そう次々と踊る劇団員が語っていき、歌が流れた。
『むかし、むかしの遠いおとぎ話。
美しい姫と花婿候補達。
哀れな魔法の呪文をかけられて、愛の言葉に焦がれても気づかない。
心の奥底を覗いてごらん。
澄んだ瞳の君が、君を見ている。』
そう女達は舞台上で踊りながら歌う。
『それでは、登場人物を紹介しましょう』
男が誰もいない客席に向かって一礼し、舞台の端に移動する。
そして、このリハーサルはまだまだ続くのだ。
だが、そのリハーサルの途中で男が息を切らせながら舞台上に現れた。
「団長、大変です!」
「どうした?」
リハーサルの途中で入ってきたものだから歌も音楽も止まり、話しかけられた団長は深く息を吐いた。そんな物は後にしろと言いたげな目で男を見た。
だが、そんな事は気にせず男は持っていた紙を団長に渡す。
「荷物の上にこんな物が…」
渡された紙を皆で読むと、それは手紙だった。
『皆さん、ごめんなさい。悩んで、悩んで、悩んだのですが、結末が思い浮かびません。父の勧めに従って、花婿選びに参加します。探さないでください。不破雷蔵』
手紙の内容は唐突な物だった。
そして、不破雷蔵というのは、この舞台の演出家だった。
劇団員はずっと雷蔵が結末を待っていたのだ。結末を待ち続け、今の今までずっとリハーサルをしてきた。
二十五回もだ。
「いや、探すよ!探すだろ!」
団長は手紙に向かってツッコミを入れた。
「ねぇ、花婿選びって善法寺伯爵の?」
一人の女がそう口にする。
「わからないけど、もう行ってみるしかないわ。だって本番は今日なのよ!何としてもとっ捕まえて悲劇か喜劇、はっきりさせなくちゃ!」
そう言い出した女の言葉に、皆は『おぉー』と声を上げた。
劇団員達は数人を残し、『さぁ、行こう!』と声を上げ、善法寺家に向かった。

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