蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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けまい35
というか、ポメラさん・・・また文字化けしててびっくりしたよ。
もうなんなのっ!?
新しいやつは高いしなぁとか思いつつ。やっぱり欲しいとか思うのですよ。
新型でるよね。今月だっけ?
私のやつ最近買ったけど古いタイプだからね。
とりあえず、今回の話は言葉で言ってくれなきゃわかんないよって話です。
昔は言ってくれてたのにねぇ~です。
それではお話はこちらから↓↓
最近、留三郎は好きだと言ってくれない。
言葉以外で気持ちはたくさん貰っているけれど、たまに不安になる時があるのだ。
まだ、それが平気な程、伊作は大人じゃない。
忍術学園では最上級性で、下級生からは大人だと思われているだろうけれど、こんな事を気にするようではまだまだ精神的に幼い子供なのだと伊作は思い知る。
留三郎の性格上、『好き』だとか『愛してる』とかそんな言葉をあまり口にしたがらない。
それはわかってはいるけれど、昔は素直に言葉で伝えてくれていた時もある。
ただ、それは今のような関係になる前の事で、それはまだ二人が一年生の頃の話だ。
休み時間。
伊作は委員会の仕事で休み時間も忙しく、大量のトイレットペーパーを抱え、忍術学園内を走り回っていた。
何故かわからないが、一気にトイレットペーパーが無くなり、補充に走っていたのだ。
でもこの日は雨が降っていて、濡れてしまうからといつもの半分ずつしか運べなかったのだ。
だが、雨は途中で止んだ。
まだ降っていれば伊作はこんなに大量のトイレットペーパーを抱えてはいなかったかもしれない。
伊作は雨が止んだ事を喜び、トイレットペーパーの補充に部屋を飛び出した。
この時までは留三郎もいつも不運な伊作にしては珍しく良い事があるものだと思っていた。
まだ、入学したてでお互いの事がまだわからない事もあるが、伊作がとてつもなく不運なのだとう事だけはよく理解できている。
その伊作に幸運。
たまにはこういう事もあるのだと、留三郎は思い少し安心した。
それに、少しでも身体を動かしたい留三郎にとってもこの雨が止んだ事はとても有り難い。
伊作が部屋を飛び出した後、留三郎は一人で鍛錬に出かけようとしていた。
他の一年生はボールで遊んだり昼寝をしたりしているけれど、留三郎には鍛錬をしなくてはならない理由があった。それは、一年い組の潮江文次郎の存在だった。
文次郎もまた遊ばずに鍛錬ばかりしている。
入学してすぐに些細な事で文次郎と喧嘩になり、留三郎は負けた。
それも簡単にだ。
それからだった。留三郎が鍛錬をしだしたのは。
もうこれはい組、は組だからという問題ではなく、『文次郎にだけは負けない』という留三郎の意地。
それと同時に、全然見えなかった攻撃が少しずつ見えるようになって、掠りもしなかった攻撃が少しずつ当たるようになってきたり、そうやって自分が強くなっていっているという事を実感出来る事が楽しかった。
だからこの日も鍛錬。
それなのに・・・。
ベチャッ
留三郎が部屋を出てすぐに大きな水たまりで伊作が盛大の転んだのだ。
「伊作っ!」
伊作の進行方向戸は逆に向かっていた留三郎だったが、すぐに戻り手を差し出した。
「大丈夫か?」
差し出された手を取り、伊作は泥に汚れた顔を汚れた袖で拭きながら頷いたけれど、実際は泥の味は口の中に広がり、転んで打った膝が痛い。
それに持っていたトイレットペーパーも泥水でぐしゃぐしゃになっていた。
「うっ・・・」
それを見て伊作の目からは涙が溢れた。
その涙を拭こうと拭えば拭う程顔に泥が広がって顔は真っ黒になる。
「あーもう泣くなよ」
「だってぇぇぇぇ~~」
優しく声をかけられると余計に涙が出てきて、伊作は更に激しく泣くのだが、留三郎はそれにも構わず自分の頭巾
で汚れた顔を強く拭いた。
「い、痛いよ、留三郎」
「少し我慢しろよ。泥が落ちねぇだろ?」
顔に付いた泥は拭いても綺麗には落ちないのに、根気よく拭いてくれるから痛くて仕方がなかった。
「痛い・・・」
「痛いじゃねぇよ。こんな顔でトイレットペーパー補充に行く気か?」
「でも行かなきゃ・・・」
伊作はすぐに立ち上がって、泥水の染みたトイレットペーパーを片づけながら泣いている。
本当は鍛錬に行きたいのだけれど、泣いてる伊作を見ると何故か胸が痛くなった。
自分も悲しくなってくるのだ。
「俺も手伝うよ」
「でも、留三郎はこれから鍛錬だろう?」
「いいんだ。何か伊作が泣いてるとこっちも悲しくなる。だから手伝うんだ」
留三郎は伊作と一緒にトイレットペーパーを拾って立ち上がった。
留三郎のが伊作よりも小柄だが、ペーパーを持っている量は多い。
最近鍛錬をするようになったからか、だんだん腕力もついてきたのだ。今では、身長こそ伊作よりも小さいが、力は留三郎の方があるのだ。
「これ、どうするんだ?」
「とりあえず落としたのは医務室に持っていって、新しいのと交換する」
「じゃあ早く済ませちゃおうぜ。伊作は風呂にも入らないと駄目だろ?」
伊作は全身が泥で汚れていたし、着替えもしなくてはならない。
「うん!じゃあさ、一緒に入ろうっ!」
留三郎は全然汚れてはいない。
寧ろ今から鍛錬に行く筈で、風呂に入るならその後のがいいだろう。
でも一緒に居たかったのだ。授業の時の席はいつも隣、部屋は同室。
いつも一緒だけれどもっと一緒に居たいと思うのだ。
留三郎と一緒に居ると暖かい気持ちになるから。
「じゃあ、これ終わったら一緒に入るかっ!」
留三郎がそう答えると伊作の表情はぱっと明るくなり、駆け足で医務室に向かう。
「そんなにはしゃぐ事かよ?」
「うんっ!だって、僕留三郎の事大好きだもん。一緒に居られるのが嬉しいんだ」
すると、留三郎の頬がほんのり赤く染まった。何だか気恥ずかしかった。
でも考えている事は伊作と同じだった。
「俺も伊作の事大好きだよ。一緒だな!」
そう言って留三郎は笑った。
「うんっ!一緒だねぇ~」
伊作もほわんと柔らかな笑顔を留三郎に向けた。
昔はこんな事を平気で言い合っていた。
伊作は今でも気持ちを素直に伝えているけれど、留三郎はあまりそれをしなくなってしまった。
言葉で言わなくても昔と同じように大事にしてくれるけれど、やはりたまには留三郎の口から聞きたいのだ。
「ねぇ、留三郎」
「ん?」
「最近、好きだって言ってくれないね」
衝立の向こうから顔を覗かせ、本を読む留三郎にそんな事を言ってみる。
「何だよ、急に・・・」
留三郎は慌てる様子もなく、半ば呆れたような表情を見せた。昔ならば少し恥ずかしそうでも思いを伝えてくれたのにだ。
「昔はよく言ってくれてたのにさ」
「そうだったか?」
「そうだよっ!」
忘れたフリをしているけれど、留三郎なら絶対に覚えてる筈だ。伊作はあまり物事を気にしなかったりというのがあるけれど、留三郎は本当に細かな事まで覚えている。
覚えていない筈はないと伊作は思っているのだ。
「そんなの言葉で言わなきゃ駄目なのかよ?」
「駄目じゃないけど、言って欲しい時だってある」
「そういうもんか?」
「そういうもんだよ」
その後、留三郎はふーんと気のない返事をしてから、手招きをして前に座れと合図してきた。言われた通りに座ろうとすると向きが違うと、留三郎とに背中を向ける形で座らされる。
「伊作」
今度は名を呼ばれて後ろから抱きしめられ、
「好きだよ」
と、留三郎が耳元で囁いたのだ。
いつもより少し低く、落ち着いた声。
「っ・・・」
久しぶりに聞いた愛の言葉に伊作の心臓はばくばくと鳴り出し、思うように言葉が出なかった。
出来たのは留三郎の腕をぎゅっと握る事だけ。
でも嬉しい。
こうやって抱きしめられながら、気持ちを言葉で伝えられる事はとても心地よかった。嬉しくて、嬉しくてこの余韻に浸っていると、留三郎が抱きしめる力を少し強めた。
「伊作。お前はどうなんだ?」
「僕?・・・僕は・・・」
いつも伝えている言葉な筈なのに、こうやって改めて聞かれると何故か恥ずかしい。
でも、やっぱり伝えたいから・・・。
「・・・僕も好き」
声は小さくて、顔も上げられなかったけれど。
伊作はぎゅっと留三郎の上着を掴み、もう一度『大好き』と伝えたのだった。

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