蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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けまい24
二人の誕生日はもう過ぎてるんだろうなーと思いつつ。
とりあえず誕生日は過ぎちゃったけど、新学期始まってからお祝いって話です。
何日って決まってないとどうも誕生日が祝いにくいなー。
ふたりが仲良ければそれでいいんだけど。
ではお話はこちらから↓↓
この日の天気はよかった。
暖かく柔らかな春の日差しが降り注ぎ、いつもは元気に遊んでいる一年生も今は木陰の下で気持ち良さそうに昼寝をしていた。
思わず昼寝をしたくなる陽気ではあるけれど、伊作と留三郎は新学期から委員会が忙しくてそれどころではなかった。
委員会は放課後から始まる予定だが、相変わらず薬不足の保健委員の伊作は休み時間にも薬を作り、留三郎はその保健委員に頼まれて道具の補修をしている。
新学期早々、小平太が医務室を破壊したのだ。
いろいろな場所を破壊している小平太だが、医務室が破壊される確率が一番高かった。
理由はわからないが、何故か吸い寄せられるように医務室にボールが飛んでくる。
『不運委員会』などと呼ばれる保健委員だが、伊作はそれを認めたくなかったし、そう言われても認めはしなかった。
けれど、毎回部屋を破壊されていると、やはりそうなのかと心が揺れる。
「留三郎、保健委員ってやっぱり不運かな?」
伊作は壊れた薬棚の修理をしている留三郎に聞くのだが、彼からの返事はない。
「留三郎?」
彼の横に移動し、伊作は顔を覗き込む。
すると、
(寝てる…)
留三郎の目は閉じられ、小さな寝息が聞こえてきた。
まだ作業の途中で寝てしまったため金づちと釘を持ったまま寝ていて、伊作は危ないからとそれを工具箱に戻した。
「留三郎」
伊作は静かに名を呼んだ。
すると、ゆっくり留三郎は目を開けるのだけど、まだぼんやりとしている。
「……何だ?」
「寝るなら布団出すよ?」
「………いや、このまま作業するからいい」
留三郎は一度欠伸をしてから首を回し、また作業に戻ろうとするのを伊作が止めた。
工具箱に手を伸ばす留三郎の手に自分の手をそっと添えて、伊作はその手を握ったまま目の前の棚を引く。
そして、取り出したのは包みに入った饅頭だった。
「もう誕生日は過ぎたけどお祝い位しようと思って買ったんだ。本当はもっと気の利いた物を用意したかったんだけどね」
「俺、何も用意してねーぞ」
「別にいいよ。僕は君とこうしている時間が好きだから」
だから少しゆっくりしようと、伊作はいつも通りにお茶の用意をしようと立ち上がろうとるのを、留三郎は手を強く引いて止めた。
「俺も後で何か用意するけど、今はこれで我慢しろよ」
強く手を引かれてよろける伊作の身体をそのまま押し倒して、留三郎は口を吸う。
「……ぅん………んんっ!」
だが、留三郎が口を吸うと伊作はすぐにそれを拒んだ。背中を何度も叩き、肩を押してくる。
せっかく楽しんでいるというのに、この否定の仕方はかなりショックだ。
「何だよっ!?」
「潰れてるんだ、饅頭がっ!」
「何ぃ!?」
見れば伊作の下で饅頭が潰れていたのだ。
「勢いに任せてこんな事するからだよ…」
伊作は身体を起こして背中に触れると、包みから外にはみ出した餡が背中にこびりつき、深い溜息をつく。
「あー…、悪ぃ…」
「もういいよ。じゃあ僕のかわりに留三郎がお茶の用意をしててくれ」
「わかった」
留三郎は医務室に訪れる事が多い。
勿論、自分が怪我をした時には来るし、下級生達が委員会で怪我をしても付き添っている。怪我をしなくても、こうやって修理を頼まれる事も多く、ここで休憩をとる事も多かった。
だから、伊作がいなくても茶を用意する事が出来る。
留三郎はとりあえず水を汲みに行く事にした。
一応、伊作の用意した水が桶にあるのだが、いつこれを汲んだのかは不明である。
桶には『お茶用』と書かれているが、この桶は保健委員が手当の時に手を洗う桶と同じ物。
もしかしたら手洗い用の桶が壊れたら、このお茶用の桶を使っているのかもしれない。
使える物は何でも使うと伊作はよく言っている。
そんな事を考えると、まずは桶を洗い、新しい水に変えたいと留三郎は思う。
伊作は手当をする時には几帳面なのだが、それ以外の事となるとかなり大雑把だった。
留三郎は桶を持って立ち上がると、後ろから名を呼ばれる。
「留三郎」
振り返ればすぐ近くに伊作がいて、唇を塞がれた。
「ごめん、やっぱりお茶よりこっちの方がいいかも…」
伊作は少し照れたようにそう言うのが可愛くて、留三郎から思わず笑みが零れた。
「それでいいならいくらでもしてやるよ。でもその前にコレどうにかしようぜ」
留三郎は伊作の背中に付いた餡を指差し、これでは抱きしめられないからと、手ぬぐいで拭き取った。
拭き取ってもまだ餡の甘い匂いは取れないけれど、二人は一度強く抱き合ってから、また唇を重ね合わせた。
暖かく柔らかな春の日差しが降り注ぎ、いつもは元気に遊んでいる一年生も今は木陰の下で気持ち良さそうに昼寝をしていた。
思わず昼寝をしたくなる陽気ではあるけれど、伊作と留三郎は新学期から委員会が忙しくてそれどころではなかった。
委員会は放課後から始まる予定だが、相変わらず薬不足の保健委員の伊作は休み時間にも薬を作り、留三郎はその保健委員に頼まれて道具の補修をしている。
新学期早々、小平太が医務室を破壊したのだ。
いろいろな場所を破壊している小平太だが、医務室が破壊される確率が一番高かった。
理由はわからないが、何故か吸い寄せられるように医務室にボールが飛んでくる。
『不運委員会』などと呼ばれる保健委員だが、伊作はそれを認めたくなかったし、そう言われても認めはしなかった。
けれど、毎回部屋を破壊されていると、やはりそうなのかと心が揺れる。
「留三郎、保健委員ってやっぱり不運かな?」
伊作は壊れた薬棚の修理をしている留三郎に聞くのだが、彼からの返事はない。
「留三郎?」
彼の横に移動し、伊作は顔を覗き込む。
すると、
(寝てる…)
留三郎の目は閉じられ、小さな寝息が聞こえてきた。
まだ作業の途中で寝てしまったため金づちと釘を持ったまま寝ていて、伊作は危ないからとそれを工具箱に戻した。
「留三郎」
伊作は静かに名を呼んだ。
すると、ゆっくり留三郎は目を開けるのだけど、まだぼんやりとしている。
「……何だ?」
「寝るなら布団出すよ?」
「………いや、このまま作業するからいい」
留三郎は一度欠伸をしてから首を回し、また作業に戻ろうとするのを伊作が止めた。
工具箱に手を伸ばす留三郎の手に自分の手をそっと添えて、伊作はその手を握ったまま目の前の棚を引く。
そして、取り出したのは包みに入った饅頭だった。
「もう誕生日は過ぎたけどお祝い位しようと思って買ったんだ。本当はもっと気の利いた物を用意したかったんだけどね」
「俺、何も用意してねーぞ」
「別にいいよ。僕は君とこうしている時間が好きだから」
だから少しゆっくりしようと、伊作はいつも通りにお茶の用意をしようと立ち上がろうとるのを、留三郎は手を強く引いて止めた。
「俺も後で何か用意するけど、今はこれで我慢しろよ」
強く手を引かれてよろける伊作の身体をそのまま押し倒して、留三郎は口を吸う。
「……ぅん………んんっ!」
だが、留三郎が口を吸うと伊作はすぐにそれを拒んだ。背中を何度も叩き、肩を押してくる。
せっかく楽しんでいるというのに、この否定の仕方はかなりショックだ。
「何だよっ!?」
「潰れてるんだ、饅頭がっ!」
「何ぃ!?」
見れば伊作の下で饅頭が潰れていたのだ。
「勢いに任せてこんな事するからだよ…」
伊作は身体を起こして背中に触れると、包みから外にはみ出した餡が背中にこびりつき、深い溜息をつく。
「あー…、悪ぃ…」
「もういいよ。じゃあ僕のかわりに留三郎がお茶の用意をしててくれ」
「わかった」
留三郎は医務室に訪れる事が多い。
勿論、自分が怪我をした時には来るし、下級生達が委員会で怪我をしても付き添っている。怪我をしなくても、こうやって修理を頼まれる事も多く、ここで休憩をとる事も多かった。
だから、伊作がいなくても茶を用意する事が出来る。
留三郎はとりあえず水を汲みに行く事にした。
一応、伊作の用意した水が桶にあるのだが、いつこれを汲んだのかは不明である。
桶には『お茶用』と書かれているが、この桶は保健委員が手当の時に手を洗う桶と同じ物。
もしかしたら手洗い用の桶が壊れたら、このお茶用の桶を使っているのかもしれない。
使える物は何でも使うと伊作はよく言っている。
そんな事を考えると、まずは桶を洗い、新しい水に変えたいと留三郎は思う。
伊作は手当をする時には几帳面なのだが、それ以外の事となるとかなり大雑把だった。
留三郎は桶を持って立ち上がると、後ろから名を呼ばれる。
「留三郎」
振り返ればすぐ近くに伊作がいて、唇を塞がれた。
「ごめん、やっぱりお茶よりこっちの方がいいかも…」
伊作は少し照れたようにそう言うのが可愛くて、留三郎から思わず笑みが零れた。
「それでいいならいくらでもしてやるよ。でもその前にコレどうにかしようぜ」
留三郎は伊作の背中に付いた餡を指差し、これでは抱きしめられないからと、手ぬぐいで拭き取った。
拭き取ってもまだ餡の甘い匂いは取れないけれど、二人は一度強く抱き合ってから、また唇を重ね合わせた。
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