蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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鉢屋と伊作
ちょっと新しいカテゴリーを作ってみました。
小話のその他ってやつ。
けまいにも委員会にも六年にもあてはあらない組み合わせのものはここにぶちこまれます。
で、今回は鉢屋と伊作の組み合わせですが、うちの鉢屋は多分伊作の事好きじゃないねっ!
実力があれば認めるけれど、そうでないやつは興味もないという子なんだと。
でも、仙蔵の事は認めているので、何故その仙蔵が伊作と仲がいいのかが気になるのね。
ちょっと関わってみたけど最後には認めるしかないかな~
という内容にしたかったんだけど、三郎のやろう・・・
多分この流れでいくと三郎は伊作の事好きになるね。
てか、これ伊作と仙蔵が仲良しって表現になってますがカプではないの。というか食満とも勿論仲良しなんだけど、三郎から見てその二人が仲いいのは不思議な事ではないので、あえて書いてません。
しかし、困ったことに・・・
食満より三郎のが書きやすいといこと。
鉢雷はどうやっても書けなかったんだけどなー。
というか食満が一番好きなのになんてこったっ!
お話はこちらから↓↓
仙蔵にこんな事を聞いた事がある。
『何故、善法寺先輩とそんなに仲がいいのですか?』
この質問に、仙蔵は三郎らしからぬ質問だと笑った。
三郎と仙蔵は委員会も別、学年も別。
自分の認めた者にしか興味を示さない男が、こうやって人の事を聞いてくる事は本当に珍しい。
自分と少し似ている所があるから、三郎の思考は何となくわかる。
そんな三郎が伊作に興味を示しているのだ。
「そんなに不思議か?」
「不思議ですよ。貴方は私と少し似てますからね。私には善法寺先輩が貴方が認めるような人間には見えないので」
三郎は自分の思っている事を包み隠さず伝えた。
自分の認めてない人間に対して厳しいのだ。
「随分、伊作に厳しいな」
「認めてないですから。前々から不思議なんですよ。六年の先輩方全員が善法寺先輩を認めている事が」
三郎は自分が仙蔵に似ている所があるという。それには仙蔵も納得している部分があった。
でも、それならば『認められない』と言う男に興味など示さない筈なのだ。
それに三郎は気づいていない。
他人の事はよく見ているのに、自分の事になると少し疎い。
三郎は確実に伊作を気にしているのだ。
「伊作を見てればわかる」
「わかりませんよ」
「それはお前が伊作の近くにいないからだ」
そう言って仙蔵はその場から立ち去っていった。
でも、仙蔵の言った事は三郎の問いへの答えではなかった。
三郎はこれを仙蔵から聞いて、余計にもやもやするハメになってしまった。
だから仙蔵に言われてから、三郎は伊作の行動に注意するようになった。
相変わらず、伊作と仙蔵は仲がいい。
それは学園内にいる二人を見ていればわかるのだが、何故二人の仲がいいのか、未だに三郎はそれを理解する事が出来なかった。
三郎は仙蔵が六年の中で一番の実力を持っていると思っている。
同じい組の潮江文次郎も実力はあると思うのだが、『天才』かといったらそうではない。
彼は努力家なのである。
だが、仙蔵は違う。
彼は間違いなく『天才』なのだ。
三郎と同じ類の人間だった。
その仙蔵が何故、学年で一番成績の悪い伊作と仲がいいのか。
(理解に苦しむね…)
三郎は自分の認めた人間としか関わろうとはしない。
それは同じ類の仙蔵も同じだと思うのにだ。
そんな時、伊作がトイレットペーパーを抱え歩いている姿を見かけた。
そして、期待を裏切る事なく穴に落ちた。
三郎はその姿を見て深く溜息をつき、伊作の落ちた穴を覗く。
「大丈夫ですか?」
そう言って三郎が手を伸ばすと、伊作はトイレットペーパーを脇に抱えて伸ばされた手を取った。
「ありがとう。えーと…」
「鉢屋です」
「あぁ。ありがとう、鉢屋」
「…いえ」
伊作はまたトイレットペーパーを抱えて歩きだすのだが、視界を遮る程抱えている。これではただでさえ不運で穴に落ちたりするのに、更に穴に落ちる確率が上がるだろう。
「手伝いますよ」
三郎は伊作の持つトイレットペーパーを半分持った。
「いいのかい?」
「いいですよ。特にやる事もないので」
「じゃあトイレットペーパーの補充と包帯作りと医務室の掃除手伝ってね」
「え?」
「いやー、鉢屋が手伝ってくれて助かるよ」
「いや、ちょっと…」
トイレットペーパーの補充だけのつもりが、気づけば手伝う仕事が増えていていた。
でも、伊作はそれを三郎にやらせるつもりなのだ。
(関わらなきゃよかった…)
穴に落ちた伊作に手を伸ばしてしまった事を、この時三郎は心底後悔した。
トイレットペーパーの補充まではよかった。
でも、その後の包帯作りと掃除は最悪だった。
不運委員会と呼ばれる保健委員会全員と共に、有り得ない数の包帯を作るハメになったのだ。
そして、掃除に関してはあと少しという所で伊作が薬棚の中身をぶちまけた。
三郎は顔を引き攣らせながら掃除をし、全て終わった頃にはとっくに日が沈んでいた。
下級生達は部屋が片付いた時点で長屋に返したから、今、医務室には伊作と三郎の二人だけだった。
「……やっと終わりましたね」
「いろいろとごめんね」
伊作は本当に悪いと思っているのだろうか。
自分に向けられる伊作の笑顔がとてもカンに障る。
半日伊作と共に行動をしても何一ついい所が見つからなかった。
(これでよく六年に上がれたものだな)
三郎はそんな事を思う。
もう溜息しか出てこなかった。
「疲れた?」
「えぇ。慣れない事をしたので気疲れってやつですよ。善法寺先輩はお疲れではないのですか?」
「大丈夫だよ。僕は慣れてる」
その言葉通り、伊作に疲れは見えなかった。
(そこは流石六年って事か…)
三郎は伊作の姿を目で追った。
すると、伊作は茶を用意し、何かの丸薬を三郎の前に出したのだ。
「これは?」
「滋養強壮剤だよ」
「………大丈夫ですか、これ?」
「さぁ、それはどうだろうね」
伊作は意味深な笑みを浮かべて見せた。
これが本当に伊作の言う滋養強壮剤なのか怪しいものだが、三郎はそれを全て口に入れ、茶を一気に飲み干した。
うたぐり深い三郎が素直に飲んだ事に伊作は少し驚き、
「もしかしたら毒かもしれないよ?」
そう笑うのだが、逆に笑い返される。
「もしそうだとしたらそれはそれで面白い。さしずめ、私は新薬の実験台って所ですか?」
「じゃあ今度からは鉢屋に実験台を頼もうかな」
そう言って伊作は笑う。
そして、それを見た三郎の背筋にゾクリと冷たいものが走った。
笑っている伊作の瞳の奥に、今まで自分が見てきた落ちこぼれの姿は見えなかった。
『伊作を見てればわかる』
ふと、仙蔵に言われた事を思い出す。
そして、仙蔵の言っていた事がこれなのだと気づいた。
実は六年の中で一番厄介な存在は彼なのかもしれない、と三郎はその目を見て思ったのだ。
「先輩、『今度からは』って事は今まで誰に試してたんです?」
「んー、留三郎と小平太にちょっとね」
そう軽く言う伊作に三郎の顔は引き攣った。
だが、伊作の薬とこの目にはとても惹かれるのだ。
だからといって、すぐに認めるという訳ではないけれど…。
「じゃあ何かあれば声かけてください。その代わり先輩の薬、私にも分けてくださいよ」
「それならいつでも医務室に来るといいよ」
「では、早速で悪いのですが、私に盛ったこの痺れ薬どうにかしてくれます?」
三郎は顔を引き攣らせながら言った。
伊作から丸薬を貰って飲んでからすぐにビリビリと身体が痺れ出したのだ。
今では舌まで痺れて喋る事もままならない状態である。
「それなら大丈夫だよ。これは即効性はあるけど効果は持続しないから。あと少しすれば痺れも治まる筈だよ」
そう伊作は楽しそうに笑っている。
自分のされた仕打ちを考えれば、やはり伊作は六年なのだ。
(この人が一番たち悪いじゃないか…)
普段、下級生達に見せる姿とはまるで違う姿を持っている。
だが、一日伊作といて彼が三郎の興味の対象となった事は間違いない。
「こんな事になってるんですから、薬の事は頼みますよ」
「はいはい。じゃあ、痺れが取れたらこれ飲んでね」
と、今度こそ滋養強壮剤だと三郎の横に茶と薬丸を置いた。
だが三郎は『本当ですか?』と目で訴えている。
伊作はそれを気にする事なく笑みを浮かべながら、三郎の髪を撫でた。
髪を撫でられるなんて子供扱いされてるようで嫌な筈なのに、不思議と伊作の手は嫌だと感じなかった。
これが優しいだけの手であったなら、嫌で仕方がないのだろうけど、この手はそうではないのだ。
「先輩、また明日も来ます」
そう言って三郎は大人しく、伊作の手に甘えるのだった。
『何故、善法寺先輩とそんなに仲がいいのですか?』
この質問に、仙蔵は三郎らしからぬ質問だと笑った。
三郎と仙蔵は委員会も別、学年も別。
自分の認めた者にしか興味を示さない男が、こうやって人の事を聞いてくる事は本当に珍しい。
自分と少し似ている所があるから、三郎の思考は何となくわかる。
そんな三郎が伊作に興味を示しているのだ。
「そんなに不思議か?」
「不思議ですよ。貴方は私と少し似てますからね。私には善法寺先輩が貴方が認めるような人間には見えないので」
三郎は自分の思っている事を包み隠さず伝えた。
自分の認めてない人間に対して厳しいのだ。
「随分、伊作に厳しいな」
「認めてないですから。前々から不思議なんですよ。六年の先輩方全員が善法寺先輩を認めている事が」
三郎は自分が仙蔵に似ている所があるという。それには仙蔵も納得している部分があった。
でも、それならば『認められない』と言う男に興味など示さない筈なのだ。
それに三郎は気づいていない。
他人の事はよく見ているのに、自分の事になると少し疎い。
三郎は確実に伊作を気にしているのだ。
「伊作を見てればわかる」
「わかりませんよ」
「それはお前が伊作の近くにいないからだ」
そう言って仙蔵はその場から立ち去っていった。
でも、仙蔵の言った事は三郎の問いへの答えではなかった。
三郎はこれを仙蔵から聞いて、余計にもやもやするハメになってしまった。
だから仙蔵に言われてから、三郎は伊作の行動に注意するようになった。
相変わらず、伊作と仙蔵は仲がいい。
それは学園内にいる二人を見ていればわかるのだが、何故二人の仲がいいのか、未だに三郎はそれを理解する事が出来なかった。
三郎は仙蔵が六年の中で一番の実力を持っていると思っている。
同じい組の潮江文次郎も実力はあると思うのだが、『天才』かといったらそうではない。
彼は努力家なのである。
だが、仙蔵は違う。
彼は間違いなく『天才』なのだ。
三郎と同じ類の人間だった。
その仙蔵が何故、学年で一番成績の悪い伊作と仲がいいのか。
(理解に苦しむね…)
三郎は自分の認めた人間としか関わろうとはしない。
それは同じ類の仙蔵も同じだと思うのにだ。
そんな時、伊作がトイレットペーパーを抱え歩いている姿を見かけた。
そして、期待を裏切る事なく穴に落ちた。
三郎はその姿を見て深く溜息をつき、伊作の落ちた穴を覗く。
「大丈夫ですか?」
そう言って三郎が手を伸ばすと、伊作はトイレットペーパーを脇に抱えて伸ばされた手を取った。
「ありがとう。えーと…」
「鉢屋です」
「あぁ。ありがとう、鉢屋」
「…いえ」
伊作はまたトイレットペーパーを抱えて歩きだすのだが、視界を遮る程抱えている。これではただでさえ不運で穴に落ちたりするのに、更に穴に落ちる確率が上がるだろう。
「手伝いますよ」
三郎は伊作の持つトイレットペーパーを半分持った。
「いいのかい?」
「いいですよ。特にやる事もないので」
「じゃあトイレットペーパーの補充と包帯作りと医務室の掃除手伝ってね」
「え?」
「いやー、鉢屋が手伝ってくれて助かるよ」
「いや、ちょっと…」
トイレットペーパーの補充だけのつもりが、気づけば手伝う仕事が増えていていた。
でも、伊作はそれを三郎にやらせるつもりなのだ。
(関わらなきゃよかった…)
穴に落ちた伊作に手を伸ばしてしまった事を、この時三郎は心底後悔した。
トイレットペーパーの補充まではよかった。
でも、その後の包帯作りと掃除は最悪だった。
不運委員会と呼ばれる保健委員会全員と共に、有り得ない数の包帯を作るハメになったのだ。
そして、掃除に関してはあと少しという所で伊作が薬棚の中身をぶちまけた。
三郎は顔を引き攣らせながら掃除をし、全て終わった頃にはとっくに日が沈んでいた。
下級生達は部屋が片付いた時点で長屋に返したから、今、医務室には伊作と三郎の二人だけだった。
「……やっと終わりましたね」
「いろいろとごめんね」
伊作は本当に悪いと思っているのだろうか。
自分に向けられる伊作の笑顔がとてもカンに障る。
半日伊作と共に行動をしても何一ついい所が見つからなかった。
(これでよく六年に上がれたものだな)
三郎はそんな事を思う。
もう溜息しか出てこなかった。
「疲れた?」
「えぇ。慣れない事をしたので気疲れってやつですよ。善法寺先輩はお疲れではないのですか?」
「大丈夫だよ。僕は慣れてる」
その言葉通り、伊作に疲れは見えなかった。
(そこは流石六年って事か…)
三郎は伊作の姿を目で追った。
すると、伊作は茶を用意し、何かの丸薬を三郎の前に出したのだ。
「これは?」
「滋養強壮剤だよ」
「………大丈夫ですか、これ?」
「さぁ、それはどうだろうね」
伊作は意味深な笑みを浮かべて見せた。
これが本当に伊作の言う滋養強壮剤なのか怪しいものだが、三郎はそれを全て口に入れ、茶を一気に飲み干した。
うたぐり深い三郎が素直に飲んだ事に伊作は少し驚き、
「もしかしたら毒かもしれないよ?」
そう笑うのだが、逆に笑い返される。
「もしそうだとしたらそれはそれで面白い。さしずめ、私は新薬の実験台って所ですか?」
「じゃあ今度からは鉢屋に実験台を頼もうかな」
そう言って伊作は笑う。
そして、それを見た三郎の背筋にゾクリと冷たいものが走った。
笑っている伊作の瞳の奥に、今まで自分が見てきた落ちこぼれの姿は見えなかった。
『伊作を見てればわかる』
ふと、仙蔵に言われた事を思い出す。
そして、仙蔵の言っていた事がこれなのだと気づいた。
実は六年の中で一番厄介な存在は彼なのかもしれない、と三郎はその目を見て思ったのだ。
「先輩、『今度からは』って事は今まで誰に試してたんです?」
「んー、留三郎と小平太にちょっとね」
そう軽く言う伊作に三郎の顔は引き攣った。
だが、伊作の薬とこの目にはとても惹かれるのだ。
だからといって、すぐに認めるという訳ではないけれど…。
「じゃあ何かあれば声かけてください。その代わり先輩の薬、私にも分けてくださいよ」
「それならいつでも医務室に来るといいよ」
「では、早速で悪いのですが、私に盛ったこの痺れ薬どうにかしてくれます?」
三郎は顔を引き攣らせながら言った。
伊作から丸薬を貰って飲んでからすぐにビリビリと身体が痺れ出したのだ。
今では舌まで痺れて喋る事もままならない状態である。
「それなら大丈夫だよ。これは即効性はあるけど効果は持続しないから。あと少しすれば痺れも治まる筈だよ」
そう伊作は楽しそうに笑っている。
自分のされた仕打ちを考えれば、やはり伊作は六年なのだ。
(この人が一番たち悪いじゃないか…)
普段、下級生達に見せる姿とはまるで違う姿を持っている。
だが、一日伊作といて彼が三郎の興味の対象となった事は間違いない。
「こんな事になってるんですから、薬の事は頼みますよ」
「はいはい。じゃあ、痺れが取れたらこれ飲んでね」
と、今度こそ滋養強壮剤だと三郎の横に茶と薬丸を置いた。
だが三郎は『本当ですか?』と目で訴えている。
伊作はそれを気にする事なく笑みを浮かべながら、三郎の髪を撫でた。
髪を撫でられるなんて子供扱いされてるようで嫌な筈なのに、不思議と伊作の手は嫌だと感じなかった。
これが優しいだけの手であったなら、嫌で仕方がないのだろうけど、この手はそうではないのだ。
「先輩、また明日も来ます」
そう言って三郎は大人しく、伊作の手に甘えるのだった。
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