蜜柑 現パロ2(大人) 忍者ブログ

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現パロ2(大人)

前の書いた現パロの続きのようなものです。



この設定は書いてて楽しい!



それではお話はこちらから↓↓




カラン・・・
 
 
閉店間際、店のドアのベルが鳴った。
留三郎は閉店準備に入っていて、食器の片付けをしていたのだが、ベルの音で顔をドアの方に向ける。
「あー…仙蔵、悪い。外のプレート『CLOSE』にしといてくれ」
そう言われて仙蔵はプレートを裏返してOPENからCLOSEに変えた。
「何だ、皆はまだ来ていないのか?」
仙蔵は辺りを見渡し、自分以外の存在を探していた。
「伊作はさっき仕事終わったって連絡がきた。他は知らねぇ。でもまだ時間より20分も早いからな」
そう言いながら留三郎は紅茶をカウンターに置いた。
仙蔵は店の中を暫くうろうろした後、ようやく落ち着いた。
留三郎が仙蔵に用意したのはアールグレイだ。
彼はコーヒーよりも紅茶を好む。
ミルクや砂糖を入れるかはその日の気分次第で、この日はストレートだった。
「良い香りだ。それに味もいい」
「当たり前だ。茶葉も入れ方だってこだわってやってんだよ」
そう言う留三郎は褒められて嬉しいのか、口の端が少し上がり話は続く。
「いいか、仙蔵。紅茶は湯の温度がかなり重要なんだ。100℃の熱湯じゃないと茶葉がポットの中で運動しないから、茶葉が十分に開かねーんだ。だから…」
留三郎の話は終わる気配がなく、彼の気が済むまで話をさせるとかなりの時間がかかるだろう。
仙蔵が溜息をつきつつうんざりしていると、またドアのベルが鳴る。
「あーお腹すいたー………って仙蔵、久しぶり」
「あぁ、久しぶりだな。そして良い所にきた」
仙蔵は満面の笑顔で伊作を迎えると、留三郎はそれに不満の表情を見せる。
「てか聞けよっ!」
だが、仙蔵はもう聞く気はない。
彼の視線は伊作に向けられ、留三郎に向けられる事はなかった。
伊作は仙蔵の横に座ると、留三郎に『何かない?』と言って残り物のタルトを出してもらうと、それをつまみながら楽しそうにたわいもない話をしていた。
留三郎は話をするのを諦め、食器の片付けを開始する。
いつもなら腹を空かせた伊作にはもっと腹の足しになるものを作るのだが、今はそれをしないのは、食事を出すのは全員が揃ってからだと決めていたからだ。
今、店には留三郎、伊作、仙蔵の三人が揃っているが、残りは
文次郎、小平太、長次の三人である。
この六人は幼稚園の頃からの付き合いで腐れ縁というやつだ。
全員が仲良しという訳ではなかったのだが、不思議とつるむ事が多く、全員が違う学校に進んでも集まっていた。
それは学生を卒業し、社会人となった今でも続いていて、今日は留三郎の店の開店祝いなのだ。
残りの三人も仕事帰りにこの店に来る事になっている。
すると、店の外でフラフラと行ったり来たりしている影が見えた。
「伊作、開けてやれ」
店のドアがCLOSEになっているから入るのを躊躇っているのだろうか。
伊作がドアを開けると、店の中を覗くような体勢の文次郎がいた。
「いらっしゃい、文次郎」
「お、おう」
だが、そう返事をして中に入ろうとした文次郎の後ろから、誰かが凄い勢いで走って来るのに留三郎は気づいた。
「あ、小平…」
走って来る人物の名を言いかけた所で、
「どんどーんっ!」
という声と共に大きな音をたてて伊作と文次郎が吹っ飛び倒れた。
勢いよく文次郎の背を押したのは小平太で、約束の時間ギリギリに駆け込んできたのだ。
腕時計で時間を確認すると、
「約束の時間には間に合ったな。それより、文次郎、伊作、二人とも何やってるんだ?」
小平太に吹っ飛ばされた伊作は椅子の脚に頭を強打し、額を文次郎の額と強くぶつけたのだ。文次郎は頭を打ち付けはしなかったが、伊作とぶつかった額が赤くなっている。
「…な…にがだと…?」
文次郎は打ち付けた額を押さえ、怒りを現わにして小平太に掴みかかっていた。
伊作はまだ打ち付けた頭を押さえたまま唸り、起き上がれないでいると、仙蔵がそれを介抱する。
「伊作、大丈夫か?」
「うーん…、多分大丈夫」
留三郎は開店したばかりの店を荒らされ、今にも怒りが爆発しそうだった。
だが、その原因を作った小平太の頭に強烈な一撃が放たれたのだ。
小平太の頭が大きく揺れ、目の前にいた文次郎の動きも止まる。
見れば小平太の頭には薄めで丈夫そうな鞄が縦に振り下ろされ、それをしたのは長次だった。
暗闇からぬっと現れて、小平太の頭を掴むと、そのまま力任せに頭を下げさせる。
「…小平太、謝れ」
長次にそう言われて暫く考えて状況を理解したのか、
「すいませんでした」
と謝って伊作の席の横に座った。
「相変わらずだね、小平太は」
「そういう伊作こそちっとも変わってないな。その不運なとことか」
「ははは…」
伊作は留三郎から渡された氷で額と頭を冷やし、苦笑いを浮かべていた。
「つーか小平太。お前、荒らしにきたのか祝いにきたのかどっちだよ…」
「勿論祝いにだ。それよりも私はもう腹が減って死にそうだ…」
小平太はヘナヘナと力無くテーブルに伏せた。
もう小平太は限界のようだった。
長次はヘナヘナになっている小平太の隣に座り、文次郎は仙蔵の隣に座った。
並びは右から文次郎、仙蔵、伊作、小平太、長次の順で、留三郎だけはカウンターの中にいる。
 
 
これで全員揃った。
 
 
「じゃあ全員揃ったから、開店祝い始めようか。という事で留三郎、早くご飯ー」
「はいはい…」
騒がしく始まった開店祝いに留三郎は深い溜息をつく。
だが、せっかく集まってくれたのだ。
 
 
「ではお客様、ご注文をどうぞ」
 
 
留三郎はいつもの営業スマイルで、集まった五人にそう聞くのだった。

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