蜜柑 現パロ1(大人) 忍者ブログ

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現パロ1(大人)


バレンタイン間に合ったーーー!!
昨日、エヴァ見ながら書いてました。
そう、昨日の夜にバレンタインだとう事に気付いたのです。
しかし、室町の方では思いつかなかったので、現パロで考えてみた。


でも、どうやっても学生でというか彼らの実年齢で考えられず、年齢設定が二人とも20代後半になったよ・・・。


食満さんは器用だからきっと何でもできるんだ。


とりあえずけまいデス!



それではお話こちらから~↓↓





深夜、0時を回った頃。
『CLOSE』と小さな掛け看板がドアにかけられた喫茶店には、深夜だというのに明かりが点いていた。
ただ、入口にはブラインドがあって中までは見えないが、その隙間から明かりが漏れているから、中に人がいる事は間違いない。この喫茶店は今日、2月14日の9時にオープンする。
そして、今店の中はコーヒーの良い香りが漂っていた。
「やっとオープンの日だね、留三郎」
「ん、まぁな」
留三郎は肩位まである黒髪を下の方で一つに纏め、白いワイシャツを肘まで捲り上げている。腰に黒いエプロン姿でコーヒーをいれていた。
カップは二組。
そして、ミルクは一人分。
「伊作、どうせなら開店してる時に来てくれよ」
「ごめん。でも、僕はこの店の一番の客になりたかったんだよ」
一番は出されたコーヒーに砂糖とミルクを入れて、甘いコーヒーを作る。
「それなら9時に来ればいいだろ?」
留三郎はカウンターに寄り掛かり、自分のコーヒーに口をつけた。
「だからその時間は病院だって言ったじゃないか」
留三郎はこの日、念願のカフェをオープンさせる。
小さいカフェではあるけれど、質にはかなりこだわっている。
コーヒー豆は勿論、その豆の挽き方までこだわっている。
紅茶もそうだ。
自分で良いものを選び、自信のあるものを用意していた。
そして、店の中にあるテーブルや椅子、食器も全てアンティークで揃えられている。
前の店のオーナーがアンティーク好きで、留三郎がそれを譲り受けたのだ。
カフェをオープンさせる為の道具は全て揃っていたが、店の中は大分傷んでいて、それを直す工事が入った。
その工事が一週間前に終わり、ようやくオープンする事が出来た。
伊作は医師免許を習得し、今は病院勤めだ。
このカフェは伊作の勤める病院からも近いから、休憩中にでも来ればいいと言ったのに、それでは嫌だと言って今に至る。
「そう言ってもこの時間じゃお前がキツイんじゃないか?」
伊作は毎日疲れたーと言ってクタクタになって家に帰ってくる。仕事のある日は日付が変わる頃には眠っているのだ。
「うん。だからコーヒー飲んだら帰るよ。留三郎は?」
「もう仕込みは終わってるから俺も帰る。あーでも、帰る前にこれ食ってけよ。俺の自信作」
留三郎は切り分けたチョコレートケーキをカウンターに出し、飲み終えた伊作のカップに熱いコーヒーをいれた。
このケーキは留三郎の手作りだ。
留三郎はこの店で出す菓子を全て自分で作り用意していた。
だが、店で出すには少し作るのが早いのではないかと伊作は思う。
そんな事が少し気になりはするものの、伊作はそれを長く気に留める事はない。
「んー。自信作っていうだけあって凄く美味しいよー」
伊作は左手を頬に当て、幸せそうに笑みを浮かべていた。
「今日はバレンタインだからな。お前用に作ったんだよ」
留三郎もその幸せそうな顔を見て嬉しそうに笑い、ケーキを食べている伊作の髪に優しく触れた。
愛おしくて仕方がない伊作の柔らかい亜麻色の髪を、留三郎は何度も撫でた。
伊作の短い髪は柔らかく、触り心地がいい。
そして、伊作もまた留三郎の手が大好きだった。
何でも器用に熟す、留三郎の手指が髪を撫で、長い指が頬をなぞる。
「急に何?」
「ただ、触れたいだけだよ」
「そっか」
留三郎の手が優しく伊作を撫で、二人の距離がゆっくりと縮まっていく。
「口にクリーム付いてる」
そう言って留三郎は伊作の口元に付いたクリームを舐め取ると、そのまま唇を重ね合わせた。
すぐに唇は離れてしまい、伊作はそれに物足りなさを感じるけれど、もうあまり時間に余裕がないのは、カウンターに置かれたアンティークの時計を見て、伊作はそれを横目で確認した。
「……もう少し時間があったらよかったのに」
「仕方ねぇだろ。もう帰るんだから、早くそれ食っちまえ」
「うーん…」
伊作はそう唸りながらケーキをかなり大きく切って、口の中いっぱいに入れた。
本当はゆっくりと食べたいけれど、仕事があるから仕方ない。
伊作は三口でケーキを食べて少し冷めたコーヒーで口の中の物を一気に流し込む。
そして、
「僕のケーキは全部持って帰るからねっ!」
「はいはい、わかったよ」
「そしたら二人で一緒に食べよう。今日は11時には帰れるからさ」
「おう。そしたらこの続きはそん時な」
「うん」
伊作はそう笑ってカップと皿を渡すと、留三郎からケーキの入った箱を渡された。
きっと伊作が持ち帰ると言うのを見越して、箱を用意していたのだろう。
伊作はその箱を受け取ると隣の椅子の上に置いていたコードに袖を通し、マフラーを巻いた。
そして、まだ食器を片付けている留三郎を待ちながら、店の中を見て回る。
「先帰ってていいぞ」
留三郎は丁寧にカップを拭いていて、見ればもう少しで帰れそううだ。
「いや、待ってる。それに、帰る所は同じなんだし一緒に帰ろう」
二人は同じマンションに暮らしている。
高校を卒業して大学に入った時に二人で部屋を借りた。
そして、今もそのマンションに暮らしている。
家賃は高めではあるけれど、二人でなら何とかなるからと、3LDKで少し広めの間取りだ。
「留三郎、あとどれくらい?」
「一分」
留三郎は出した食器を棚にしまい、エプロンを外した。
捲った袖を戻し、店の奥へと引っ込むとダウンを羽織りながらカウンターから出てくる。
「じゃあ、帰ろうぜ」
「うん」
この店一番の客を持て成すと、店内にコーヒーの良い香りを残し、ブラインドから漏れた明かりが消えた。
 
 
またこの店から良いコーヒーの香りが漂うのは、あと8時間後―――――――

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