蜜柑 学生現パロ2(クリスマス) 忍者ブログ

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学生現パロ2(クリスマス)

クリスマスの話~
高校生です。きっと一年生くらいだと思う。
食満さんは外でいちゃつくのが恥ずかしいお年頃です。
でもこの話、クリスマスじゃなくたって出来るよねって思うけど。
とりあえずクリスマスですっ!


そして、話ぜんぜん違うけど、最近ジョジョにやられてるからさ。
一番くじで散財しまくりだよ。とりあえず10回って言うから。
毎回持って帰る荷物の量多い・・・。
ジョジョ面白いよねっ!
3部と5部が好きだわ~


という事でお話はこちらから↓↓



街中はクリスマス一色だった。
この時期は毎年こうで、カップル達はいつも楽しそうにしている。
幸せそうに手を繋いでいたり、腕を組み街中を歩いていた。
すると、前から高校生のカップルが手を繋ぎ、話を弾ませ歩いてくる姿を、伊作は無意識に目で追った。
「どうした?」
伊作の横を歩く留三郎がそう声をかける。
「何が?」
「何がって…。さっき歩いてきたカップル見てただろ?」
「そう?そんなつもりはなかったんだけど」
伊作はそう言うが確かに目で追っていた。でも、伊作にはそんなつもりは全く無かったらしい。
伊作の言葉を聞いて無意識なのだと言う事はわかるが、無意識にそうしてしまうという事はその行為に興味を持ったのだろう。
自分達と同年代のカップルが仲良く手を繋いでいるのだ。
「繋ぐか?」
留三郎はそんな事を言ってみる。
「はははっ、全くお前は出来もしない事を何で言うんだよ」
そう言って伊作は笑った。
伊作と留三郎は幼い頃からの付き合いだ。
家も近いから小学校も中学校も同じで、高校も同じ所を選んだ。
何となくお互い好きなんだろうなって気づいていて、高校に入学した年の夏に留三郎から伊作に告白をしたのだ。
二人はつき合っている。 さっきすれ違ったカップルと何ら違いはない。
同じ高校生でつき合っている同士。
だが、二人は外で手を繋いだりくっついたりした事は一度もなかった。
理由はわかりきっている。男同士だからだ。
だから外では仲の良い友達として振る舞っている。
それなのに、留三郎は『繋ぐか?』などと言うのだ。
気にしているのは寧ろ留三郎の方だと言うのに…。
 
 
(気にしてるのは留三郎の方だって気づいてる?)
 
 
伊作は差し出された手に触れる事なく歩き始めた。
「今日はクリスマスだしチキンが食べたいなー」
そして、そう言って話をそらす。
それで本当に手を繋ぎたいなんて言って、やっぱり無理だなんて言われる方がよっぽどショックだ。
「それならコンビニで唐揚げでも買ってくか?」
そして、差し出された手は自然にコートのポケットにおさまった。
「それいいねー。温かい飲み物も買って公園で食べようよ」
本当ならケンタッキーがいい。けれど、この時期は混んでいるし、出費は避けるにこしたことはない。
留三郎はバイトをしているけれど、伊作はしていないからお金の余裕はなかった。
「あ、でも俺肉まんも食いてぇ」
食べたい物がどんどん出てくる。
結局、『クリスマスだからチキン』とかそういう事などどうでもよくて。ただ、二人で過ごす時間があればよかったのだ。
暖房のきいた暖かい家の中で過ごすのもいいけれど、寒くても外で過ごすのもいい。
もう十二月で日が暮れるのは早い。只でさえ冷たい空気が更に冷たくなってしまうけれど、二人でいればそんな寒さなど感じない位、心は暖かいと伊作は感じるのだ。
まず向かうのはコンビニ。
買った物は唐揚げ、肉まん二つと暖かいお茶。
この後向かうのは家から近い公園。
買った物が冷めないうちに公園まで走った。
温かいものは冷める前に食べたいからだ。
公園には何本か街灯があるけれど、日が暮れると随分暗い。二人は公園の中でも一番明るいベンチを選んで座ると、凄くひんやりとする。
 
 
『メリークリスマース!』
 
 
熱いお茶で乾杯をして、まずお茶を一口。
でも、たった一口のお茶では身体は温まる事はない。コートを着ていてもその冷たさは身体に伝わり、二人から体温を奪っていった。
「おでん買えばよかったかなー」
伊作はアツアツの肉まんをかじり、肉の熱さにハフハフ言いながらそんな事を言っていた。
留三郎は二人の間に置いた唐揚げをかじり、肉まん片手に『そうだなー』と答える。
暖かかったお茶はあっという間に冷めて、肉まんと唐揚げを食べ終わった頃にはぬるくなってしまい、温かい物が恋しくなった。
「寒いねー」
「寒ぃー」
ゴミはゴミ箱き片付けて二人は『寒い』と文句を垂れながらベンチに座っていた。もう身体を暖めてくれる食べ物も飲み物もない。話す事もいつも一緒にいるから、真新しい話もない。
留三郎は寒いのが大嫌いで、こんな所にずっと居たくはないだろう。
「留三郎、寒いしそろそろ帰ろうか」
伊作からそう話を切り出した。
留三郎はいつも優しいから。
何も言わなければ黙って隣に居てくれる人だから、伊作からそう切り出すのだ。
伊作は寒いけれど、まだここで静かに二人の時間を過ごしたかったが、街灯の灯りに見えた留三郎はかなり無理をしているようだった。
「そうだな。でも、もう少しだけ俺と一緒に居てくれよ」
留三郎の冷たい手が伊作の手を強く握った。
「ここ外だよ?」
「知ってる。何だよ、嫌なのか?」
寒さでなのか、照れているからなのか、留三郎の顔は赤い。
でも、伊作から目をそらしてずっと前を見ているから、照れているのだと思う。
「嫌じゃないよ、凄く嬉しい」
伊作が留三郎を見てもずっと前を向いたままで、たまにちらっと視線を向けてもすぐにそらしてしまうのだ。
きっと留三郎はこの暗い公園で精一杯頑張っている。外で手を繋ぐとか、そういうのを本当に嫌がるのだ。
「金欠でクリスマスなのにプレゼントも何もないからな。こんな事位しか出来ねぇし」
「そんな事気にしてたの?僕なんて最初から用意してないよー」
なんて伊作は笑った。
それにプレゼントなんて無くても、留三郎と一緒に居られるだけで良かったのだから。
それに、留三郎からはプレゼントよりも嬉しい事をしてもらえた。
 
 
それなら…。
 
 
「じゃあ僕も…」
伊作は留三郎との距離を詰め、その横顔にチュッと唇を押し当てた。
留三郎はそれに驚いて、一瞬動きが止まる。
口をパクパクさせながら伊作を見ている姿がまた新鮮だった。
そして、ようやく言葉が出る。
「……ここ、外だぞ?」
「うん、知ってる。嫌だった?」
さっきと同じやり取りを、さっきと逆で繰り返す。
「……嫌じゃねぇ…けど…」
「よかった」
照れ臭そうに視線をそらす留三郎と、それに満面の笑みを向ける伊作。
視線は合わないけれど、二人の手はしっかりと握られていた。

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