蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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6年生の正月
インテ用無料配布にと思って書いたけど、ちょっと長くなっちゃったのでやめたもの。
時期的に今じゃないとアップできないからアップしてみたけどね。
やはり短く書こうとしてたから展開早っ!!
今更書き直すのも面倒なのでアップだっ!
それにしても食満は書きにくいな。
けまい作家さんて何で食満をちゃんと書けるんだろう?
難しい~難しいよ食満っ!
そんなお前が大好きだがねっ!!
それではお話はこちらから↓↓
時期的に今じゃないとアップできないからアップしてみたけどね。
やはり短く書こうとしてたから展開早っ!!
今更書き直すのも面倒なのでアップだっ!
それにしても食満は書きにくいな。
けまい作家さんて何で食満をちゃんと書けるんだろう?
難しい~難しいよ食満っ!
そんなお前が大好きだがねっ!!
それではお話はこちらから↓↓
今、忍術学園は冬休みに入り、いつもなら下級生達の騒がしい声が聞こえるのに、今はそれが全く聞こえない。
数日前から家が近い者は家に帰り、遠い者は教師達の家で世話になっているのだ。
伊作と留三郎は休みになっても家には帰らず、いつも忍術学園に残っている。
伊作は装束に上着をはおり、廊下に出て甘酒を飲みながら外を眺め、一面の銀世界に目を細めた。
遅れて部屋から出てきた留三郎も外の景色を見て、嬉しそうに声を上げた。
小平太は既に外に出て雪の中を走り回り、長次の姿は部屋にない。
仙蔵と文次郎は既に部屋にはいなかった。
今年の冬休みは全員で残ると決め、恐らく二人はこれから始めようとしている事の準備をしているのだろう。
年が明けたら全員で餅つき。
それが六人が冬休み前に計画した事だった。
「おい、持ってきたぞ」
そう声がして、見ると仙蔵は杵を二つ持ち、その後ろを文次郎が臼を担ぎやってきた。
「長次は?」
長次がいない事に気づいた伊作がそう聞いた。
「もち米準備中だ。多分、もうすぐ出来る」
文次郎は担いだ臼を真っ白な雪の中に置き、パンパンと二回手を叩き答えた。
留三郎は桶に水を汲み、餅つきの準備を始めていた。
伊作が何もしないのは不運で全てを駄目にしない為である。
せっかくついた餅を駄目にされたら敵わない、と伊作以外の意見が一致した結果だ。
唯一準備をする事が許されたのは甘酒の用意だけだった。
する事がそれしかないから、伊作は既に甘酒を飲み餅つきが始まるのを待っている状態だ。
もう餅つきの準備は完了している。
あとは長次が餅米を持ってくるのを待つだけだった。
すると、足音が聞こえてくる。
ゆっくりと落ち着いた足音と、妙に落ち着きのない弾んだ足音。
気づけばさっきまではしゃぎ回っていた小平太の姿がなく、この足音で彼が長次の元へ行っていたのだと気付いた。
「おーい、とりあえず餡ときな粉を用意した。あと何かいるか?」
と、小平太。
「それで十分だろ」
そう答えた留三郎は杵を持ち、準備を調えた。
「俺もそれでいい」
文次郎も餅をつく為、杵を持つ。
仙蔵は手水をする為、臼の横にしゃがんだ。
準備が完了すると、長次は布に包んだもち米を入れた。もち米からは湯気が上がり、辺りに餅のいい匂いが広がった。
「いい匂いだなー」
小平太は嬉しそうに声を弾ませ、餡ときな粉を伊作に預けて長次の横に陣取って匂いを嗅いでいた。
「長次から餅の匂いがする」
くんくんと鼻を近付ける小平太を長次は横目に見ると、
「お前からは餡の匂いがするぞ」
と小さく呟いた。
「そうか?」
「口元に餡が付いている」
「あぁ、さっき味見した」
「………半分近く減っているが…」
「細かい事は気にするな。なぁ、伊作」
小平太がそう言って伊作に視線を向けると、
「うん」
と返事が返ってくる。
だが、伊作は小平太の減らした餡を既につまみ食いをしていた。
「いーさーくぅーー!!」
これから餅をつこうとしている留三郎、仙蔵、文次郎の三人が声を揃えて伊作に視線を向けた。
「あ、ごめんっ」
伊作は三人の気迫に押され、慌てて餡の皿から手を離すと――――――――
ガシャン
その音と共に小平太以外の四人は目を丸くした。
餡の載った皿を伊作は落としたのだ。
「…………ごめん」
餅をつく前からこれだ。
だが、怒りだしそうな留三郎と文次郎とは逆に、仙蔵は口元に笑みを浮かべていたのだ。
「安心しろ、予備はある。こんな事もあろうかと、私の部屋に用意していた」
仙蔵は得意げに笑い、手水を長次に任せ部屋に戻る。
餡が無事な事を知るとそれに安心したのか、留三郎と文次郎の二人は杵でもち米を臼に押し付け、少し粘りが出た所でつき始めた。
珍しく息の合っている二人に合わせて長次が手水をする。
小平太は雪の上に落ちただけだから大丈夫だと餡をつまんでいた。
確かにそうだ、と伊作も思うのだが、自分がこれをつまめば皿の破片で口の中を切りそうな予感がしてならなかった。
伊作は餡の事は小平太に任せて、自分は餅をつく三人に近づき、餅の状態を見に行った。
力強く二人がついているから、既にもち米から餅へと変化していた。
でもまだもう少し。
伊作は長次よりも少し後ろにしゃがみ、餅の様子を眺めていた。
小平太はマイペースに餡をつまみ、仙蔵は部屋から餡を持って戻ってきている。
仙蔵が戻ってきた事に気づいた小平太の視線は、彼の持つ餡にくぎ付けだ。
「仙蔵」
「これは駄目だ」
「まだ何も言ってないぞ」
「言わんでもわかる」
小平太から狙われている餡を仙蔵は死守する中、留三郎、文次郎は餅をつき、長次は手水をしている。
けれど、伊作だけは何もしないで餅が出来上がる様を見ていた。
さっきの餡の事もあるからもう何も触らせてもらえないのだ。
「そろそろいいんじゃない?」
「……もそ」
伊作の横で長次がもそもそと何か言っていて、耳を澄ますと『いい具合だ』と言っていた。
「仙蔵、小平太、もう餅が出来たよ」
「本当かっ!」
伊作の言葉にいち早く反応したのは小平太で、出来上がった餅を皿に受けとった。
「伊作」
小平太が餅を持ってくると、仙蔵は伊作を呼んだ。
「何?」
「餅を丸めるから手伝ってくれ」
「うん」
伊作、仙蔵、小平太はふきんで手を拭き、餅を丸めていく。
仙蔵は餅を素早く均等な大きさに丸め、小平太は素早いのだが大きさはいびつ。
伊作はそれなりの早さでいびつに餅を丸め、長次もそれに加わり餅を丸めていた。
餅を力強くついた二人は手ぬぐいで軽く汗を拭いてから、丸められた餅に餡ときな粉を塗していった。
文次郎は餡、留三郎はきな粉を担当している。
そして、やっと餅が完成した。
『よし、完成っ!』
出来上がった餅を囲み、六人は声を揃えた。
伊作は身体が温まるようにと甘酒を用意し、各自持ってきた湯呑みに注いでいく。
そして、そのまま手づかみで餅を食べはじめた。
「やっぱりつきたては上手いな」
そう言って留三郎は餡ばかり食べ、それに対して文次郎が怒りをあらわにしていた。
「おい、きな粉も食えっ!」
「うるせーな!お前だって餡ばっか食ってるじゃねぇかっ!」
二人とも手に餅を持っているからと頭突きで争い始めるのだが、あとの四人は気にせず餅を頬張っていた。
それに気づいた留三郎と文次郎の二人は、争っている場合ではないと餅を食べる。
そんな時、留三郎は横で餅を食べる伊作を見て、その頬に餡が付いてる事に気がついた。
「伊作、口んとこに餡付いてるぞ」
「え、じゃあ取って」
伊作はそう言って身体を寄せるのだが、留三郎の手は餡ときな粉で汚れていた。
手で取れば伊作の口元は皿に汚れてしまうだろう。
だから、留三郎は伊作の口元をぺろっと餡を舐め取った。
「ありがとう」
「おう」
は組の二人はいつもこんな感じだ。
年明け早々こんな事をしていても、今更誰も気にする事はない。
全ての餅を食べ終わり仙蔵は少し温くなった甘酒を啜り、一息ついた。
「今年も平和だな」
そう呟く仙蔵の湯呑みに伊作は熱い甘酒を注ぎ、
「そうだね」
と彼もそう呟いて甘酒を飲むのだった。
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