蜜柑
杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。
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けまい6
絶対ね、何かを考えた後に一番最後に思い出すと思うのです。
ついでみたいに思い出すんだけど、何かを考えた後にはお互いを思い出したりするんです。けまいは。
だから何よりも一番考えてるのはお互いの事だったりする。
お話はこちらから↓
演習や任務の時はその事だけを考える。
上級生の演習や任務はかなりの危険を伴うからだ。
ただ、今回の任務はさほど難しいものではない。
程度でいえば四年生でも熟せる任務だった。
情報を受け取り、それを渡すだけの任務だが、そこで敵に見つかれば死ぬ事もある。
だが、留三郎は受け取った情報を既に手放し、学園に戻る途中だった。
(今日の夕飯は何だろう?)
任務が終わると急に腹が減ってきて、ぐぅ~と腹が鳴った。
学園に帰るまでが任務の一貫である。
最後まで気を抜くなと言う事なのだが、それでも任務が終われば少し気が抜けてしまうのだ。
(腹減った…)
もう一日何も食べていない。
任務が終わってようやくその事に気付いて、それからはおばちゃんの作るご飯の事ばかり考えた。
あとは、頼まれていた屋根と壁の修理の事。
下級生達がきちんと委員会を熟せているかという事。
そして、最後に伊作の事――――――
夜に部屋で薬を煎じているのだろうか。
また、穴にはまっているのだろうか。
よく不運な事に巻き込まれるから、いつも怪我ばかりしているからそれも気になる。
「伊作、元気にしてるかな…」
そう呟いた。
留三郎が学園を出てから丸一日がたつ。
まだたった一日しかたっていないのに、留三郎は伊作に焦がれていた。
任務中はそんな事を考える事はなかったのに、終わった途端に雑念が増える。
だが、考え出してしまうと考えずにはいられなくて、伊作の事を考えていたら会いたくて仕方がなくなったのだ。
学園に戻り、留三郎は任務終了の報告をする。
そして、
「伊作っ!」
ようやく長屋に戻った留三郎は勢いよく戸を開けると、昼間だというのに布団が敷いてあった。
「留…三郎……?」
頭まで布団を被っていた伊作が顔を出す。
「どうした?」
「風邪ひいたみたい…」
布団から顔を出している伊作の顔は赤い。
顔に触れるとかなり熱くて、熱が高い事がわかる。
「薬は?」
留三郎は伊作の髪を撫でながら聞いた。
「…まだ」
熱で朦朧とした瞳が留三郎を一度捕らえるが、相当辛いのかすぐに閉じられてしまった。
「じゃあ貰ってきてやるよ」
任務から帰ったばかりだが、伊作がこんな調子では仕方がない。
留三郎は医務室に薬を貰いに行こうと立ち上がると、袴の裾が強く引かれた。
「何だ?」
そう聞いても伊作は袴を引くだけだった。
「何だよ、薬貰いに行けねえだろ」
伊作が引っ張るものだから、留三郎は仕方なく座ると、今度は袴ではなく上着が引っ張られた。
二人の距離が縮まると、伊作は服を引っ張るのを止めて、留三郎の首に両腕を絡ませ引き寄せる。
身体が密着すると、伊作の熱が伝わってきた。
(熱いな…)
早く薬を飲ませなければ、と留三郎は思う。
だけど伊作はそれでも離す事をしなかった。
「留三郎…、お帰り」
伊作は留三郎を強く抱きしめて耳元で囁く。
留三郎はそう言われて口元に笑みを浮かべると、
「ただいま」
と、伊作の耳元で囁いた。
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