蜜柑 けまい5+仙蔵 忍者ブログ

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けまい5+仙蔵


やはり6年生も出したいっ!と思って一番最初に出てきたのは仙様です。

本当は皆でわいわいやってる話とか書きたいのに、何故かサイトだと長い話があまりかけません。

どうしてだろう?


お話はこちらから↓




どうして、いつもこうなるのか?
留三郎は一人で穴に落ちた伊作を見て思う。
その横を仙蔵が通り、穴の中を見て小さく息を吐く。
「また落ちたのか…」
「まぁな」
「……どうやったらこんな所に落ちる?」
「鳥のフン避けたら落ちたぞ」
二人は穴に落ちた伊作を見ながらそんな話を始めた。
それを下から見上げる伊作は、穴に落ちた事で全身に被った土を払いながら声をかける。
「おーい。二人ともちょっと手伝ってくれ」
「どうした?」
「……足をくじいたみたいなんだ」
その言葉を聞いて、留三郎と仙蔵からは深い溜息が漏れた。
「本当に仕方がないな」
そう言って仙蔵は持っていた鍵縄を穴の中に垂らした。
「留三郎、引っ張るぞ」
「あぁ」
伊作の落ちた穴は一人で登れない程ではないのだけれど、足をくじいていては上るのは難しい様だ。
「すまない」
「今更だろう」
そうさらりと仙蔵は言う。
もう六年間も共にいるのだ。
既に数え切れない程、巻き込まれている。それは仙蔵だけではない。
今更残っている六年生全員がそうなのだ。
今更驚く事ではないし、例えその不運に巻き込まれたとしても、それで何かが変わる訳じゃない。
伊作を穴から引き上げると、
「私はもう行くぞ」
仙蔵は鍵縄を纏めながら言う。
「ありがとう、仙蔵」
仙蔵はそのまま自主練へと向かった。
「留三郎ももういいよ。一人で大丈夫だから」
「そんなんで大丈夫じゃねえだろっ!」
留三郎は伊作を背中に背負い、そのままもと来た道を戻る。
「留三郎っ!」
「いいから黙ってろ」
「……ごめん」
昔からこうだ。
留三郎は伊作に何かあると、こうして助けてくれる。
いつも伊作の傍にいるから、こうなってしまうのだ。

(いつも迷惑ばかりかけてる…)

「……伊作」
「何?」
「仙蔵も言ってただろ。そんなもん今更だ。お前の不運なんて誰も気にしてねぇよ」
「うん…」
伊作は留三郎に回した手に力を込めて顔を伏せる。
泣きそうになったのだ。
留三郎や仙蔵の言葉が嬉しくてしょうがなかったから。
「伊作、苦しいぞ」
「……うん」
「お前なぁっ」
さっきからずっと伊作は泣きそうな顔を隠す様、留三郎にキツクしがみついていた。
だけど、顔が見えなくても留三郎には何となく伊作がどんな顔をしているのかがわかる。
ずっと一緒に生活してきたから、その雰囲気でわかった。
「泣くなよ」
「……まだ泣いてない」
「じゃあ鼻水は付けんなよ」
留三郎はそう言うと、その後は何も喋らなかった。

留三郎は優しい。

もう最上級生だ。
いつまでもこんな風に甘えてしまうのはいけないと思うのだけれど……。

「ははっ、鼻水は付けない様にするよ」

そう言って伊作は伊作の背中で涙を流し、垂れる鼻水を勢いよく啜り上げた。

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