蜜柑
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けまい4+保健委員会
食満さんと伊作さん以外にもじょろじょろ出したいと思った結果、保健委員会を登場させる事にしました。
これ、絶対ドラマCDの影響だと思います。
でも本当に皆可愛いから出せるものなら全員出したいですが、小説でそれってかなり大変なのでちょこっとだけ。
お話はこちらから↓
一番消費が早いのは傷薬で、元気いっぱいの下級生達が毎日の様に擦り傷や切り傷を作り、医務室へとやってくる。
かといって上級生が怪我をしないという訳ではない。
寧ろ下級生よりも上級生の方が酷い怪我をしてくる。
小平太は何処を走り回っているのか、いつも擦り傷だらけ。
文次郎と留三郎はいつもの喧嘩で、擦り傷、切り傷、ついでに打撲だ。
仙蔵と長次は普段は医務室を使う事はないが、任務の後は酷い怪我をしてくる事がある。
「やっぱり足りないよなぁ…」
伊作は残り少ない傷薬見て溜息を付きながらガクリと肩を落とした。
薬草が明らかに足りなかった。
それに、少し前に文次郎と留三郎の争う声が聞こえたばかりで、これでまた傷薬が減ると思うと、伊作からはまた深い溜息が漏れる。
だけど、いくら待っても医務室には喧嘩をしたであろう二人は現れなかった。その二人の代わりに下級生達がやってくる。
(どうしたんだろう…?)
そう思いながら次々と医務室を訪れる下級生達の傷を伊作は手当をした。
この日に限って何故か怪我人が多く、保険委員全員で傷の手当にあたっていた。
「伊作先輩、もうすぐ薬がなくなっちゃいますよ」
と、乱太郎。
「こっちは包帯がなくなります」
と、伏木蔵。
手当をしている一年生の二人が、そう伊作に声をかけた。
「先輩、薬草ですっ!」
と、薬草を取りに行っていた三年生の数馬が戻り、
「包帯の替わりの布持ってきましたー」
と、二年生の左近が医務室に駆け込んできた。
そして、伊作が数馬の取ってきた薬草で傷薬を作り、二、三年生の二人が布を裂いて包帯を作る。
とにかく、何もかもが不足し、保険委員会は常に地道なやり繰りで生計を立てていた。
こんな日が続き、人がいなくなる頃には全員クタクタで、下級生達はか細い声で挨拶をし、自分達の長屋へと帰っていく。
伊作は皆が帰った後も医務室に残り、暫く傷薬と包帯作りをしてから長屋へ帰るのだが、この日は作った傷薬と包帯を少しだけ持ち部屋を出た。
部屋に戻ると、まだ明かりが燈っていた。
「留三郎、まだ起きているのか?」
戸を開けると、留三郎は文机に向かい伊作に背を向けている。
「随分、遅かったな」
「今日は怪我人が多くてね。そっちこそ寝ないのか?」
「もうすぐ寝る。お前は?」
「僕も寝るよ。お前の手当をしたら」
そう言って伊作は留三郎の横に座り、手を見るとやはり擦り傷がある。
文次郎と殴り合ったのか顔も傷だらけで、留三郎の唇の端にはうっすらと血が滲んでいた。
「やっぱり怪我してるじゃないか」
伊作は持ち帰ってきた傷薬と包帯を出し、血の滲んでいる唇にそっと触れた。
「こんなもん舐めときゃ治る」
「治らない」
「治るって」
「治らないよ」
伊作は留三郎の顔を掴んで固定すると顔を寄せ、怪我をしている口元を舐めた。
そして、
「ほら、治らない」
そう言い、伊作は傷口を確認してから留三郎を見た。
舐めて傷口が治らない事などわかっている。勿論、伊作だってそうだ。
それでもこうしたのはきっと………
留三郎は伊作の髪を撫でると、傷口に向けられていた視線が上がる。
「伊作…」
唇を重ねようと今度は留三郎が顔を寄せると、互いの唇の間に手が挟まれ阻止される。
「手当が先だ」
伊作はそう言って傷薬を留三郎の傷口に塗り、擦り傷だらけの手にも薬と更に包帯をする。
もう六年も保険委員をしている伊作の手際はいい。
手早く手当を済ませ、
「終わったよ」
そう言って、一度、留三郎と目を合わせると、今度は伊作から唇を重ね合わせた。
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