蜜柑 けまい29 忍者ブログ

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杉の運営する小説ブログサイトです。食伊とシンジャを愛する杉の妄想吐き出しの場。

   

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けまい29

もうこの人達、忍務そっちのけだよ。

一応同じものをピクシブの方にもアップしました。

時間があればどっちにもやるんだっ!
時間なければピクシブかなぁ。

とりあえずサイト用の話を書ける時間が増えたからこっちも頑張るんだー!

で、弟にペルソナ4のソフトって言ったら持ってないと言われ、3は売ったと言われた・・・。
うえぇん。
4のアニメが始まったからちょっとやりたかったんだけど、無印のイメージは持たない方がいいらしい。
うん。わかってる。
とりあえず一番弱い状態で一番強いダンジョンに行くとか泣きたくなるような事はないんだろうさ。
セーブポイント探して2、3時間さ迷った挙句、はまって死ぬとか無いんだね。
今日も家に届け物をしにきた友達とそんな話になった。

あれ、泣きたくなるよね。


という訳で、お話はこちらから↓↓



忍務前夜。
「男二人より男女のがいいか?」
留三郎は布団に寝転がりながらそんな事を言った。
「うーん。男女のが相手も油断してくれるかもしれないね」
伊作は明日の忍務に備えて着物を用意しながら答える。
留三郎と共に忍務に出掛ける事になっているのだ。
忍務の内容は指定されたとある廃寺を見張る事。
近々、戦が始まるようで、もう随分前からその廃寺で怪しい動きがあるという情報が忍術学園に入った。
何かはわからないが、その廃寺に運び込まれている物があるらしい。
それの調査を留三郎と伊作でする事になったのだ。
相手が何処の誰かもわからない以上、見張っている事が知られれば危険が伴う忍務だ。
出来るだけ危険を避けたいというのは二人の共通の意見だった。
「だよな。それならお前が女装な」
「えー何でだよー!」
衝立の向こうから顔を出し、伊作は不満を表情に表している。
「仕方ないだろ。お前のが俺より女向きなんだから」
「うぅ…」
伊作の方が留三郎よりも身体が華奢で、それは本人もわかっている事だった。
だから何も言えないのだ。
それに、男女の方がいいと伊作自身も言ってしまったから、今更嫌だと言えなかった。
「じゃあ化粧は留三郎がしてくれ」
「わかったよ」
女装する羽目になってしまった伊作は珍しく眉間にシワを寄せているが、逆に留三郎は楽しそうだ。
「じゃあ、もう僕寝るからおやすみっ!」
衝立から顔を引っ込ませた伊作はすぐに灯りを消して布団に潜り込む。
「何だよ、怒ってんのか?」
「………」
伊作からの返事はない。
「いーさーくー」
「……もう明日早いんだから留三郎も寝なよ」
伊作はもう顔を見せる気はないようで、留三郎に背を向けたまま布団に潜っている。
「はいはい、わかったよ」
仕方なく留三郎も灯りを消して布団に潜るのだった。
 
 
 
二人は朝食を共に取り、部屋で準備を始めた。
伊作の機嫌はまだ治っていなくて、朝起きてから何となく空気が違う。
「そんなに嫌なら止めてもいいんだぞ」
「別に嫌じゃないよ」
伊作は目を閉じ、留三郎に化粧をしてもらっていた。
女装する事に昨夜は納得いかなかったが、少しでも危険を回避出来るのならそれをするのが忍者だ。
それに、留三郎に触れられる事は嫌いではない。
結局怒っていても、最後にはどうでもよくなって気づけば許している。
化粧をしてもらっているうちに、伊作はもう自分が怒っていた事を既に忘れていた。
留三郎は薄めに化粧を施し、最後に紅をひく。
「出来たぞ」
「うん、ありがとう」
伊作は女物の着物に袖を通し用意する間、留三郎は下ろしている栗色の髪を整えて、ようやく準備が完了する。
「そろそろ行くか」
「うん」
忍務が何日かかるかわからないから少し多めに荷物を持ち、二人は揃って忍術学園を出発した。
そして、暫く歩いて辿り着いた茶屋で休憩を取り、二人で団子を食べていた。
今二人がいる茶屋は目的地から一番近く、周りを見れば怪しげな男達がうろついているし、茶屋で休憩している者もいる。
(留三郎…)
(わかってるよ)
矢羽根でそう会話をすると、留三郎は隣の椅子に座る男に話しかけた。
「すいません、この辺りで宿場を探しているのですがご存知ないですか?」
「知らないな。あんた達、こんな所で休むつもりなのかい?」
「この山を越えたい所なんですが、妻の足じゃ今日中に越えられそうにないもんで。あぁ、でもこの辺りには確か廃寺が…」
そう留三郎が言い掛けると、男の表情が急に変わる。
「あぁ思い出した!この近くに廃屋があるんだ。そこの横道を入って真っ直ぐ行けば着く筈だ」
「そうですか、ありがとうございます」
留三郎は男に礼を言うと、荷物を背負い伊作に手を差し出した。
「そろそろ行こうか。お前も歩き通しでゆっくりしたいだろう?」
「そうね。少し休みたいわ」
高めに出した声で答え、伊作もまた荷物を背負い、留三郎の手を取った。
二人で男に頭を下げ、説明された横道に入る。
だが、二人は既にその廃屋の存在を知っていて、そこから廃寺の様子を調べる予定でいたのだ。
廃屋と廃寺では少し距離が離れているが、二人の体力にはまだまだ余裕がある。
それに廃寺と言った時の男の慌てようで、やはりそこで何かが行われている事に確信が持てた。
「やっぱり何かあるみたいだね」
「そうだな。随分慌てた様子だったし」
「それにしても留三郎、僕はいつから君の妻になったんだ?」
からかうように伊作は笑う。
「ふ、夫婦のが自然だろ!」
留三郎は顔を真っ赤にして顔を背けた。
「顔、真っ赤だよ」
照れている留三郎は可愛いと思うけれど、その姿を見ると少し気恥ずかしい。
「お前だって頬が赤いけどな」
留三郎は優しく撫でるように伊作の頬に触れて、視線だけを背後に向ける。
距離をとって誰かがついてきていた。
恐らくさっき茶屋で話しかけた男だろう。
(怪しまれたかな?)
伊作が矢羽根で話しかける。
(どうだろうな?)
そんな事を言っているうちに廃屋に着いた。
建て付けの悪くなった戸を開けると、中にはかなりの誇りが溜まり、天井を見上げれば所々から光が漏れてくる。
それと埃っぽく薄汚れた毛布が一枚。
二人は荷物を下ろし、伊作は毛布を持って外に出た。
「何処に行くんだ?」
「今夜一晩此処に泊まるのだから、少し干した方がいいでしょう?」
「そうだな。でもあまり遠くには行くなよ」
「えぇ」
伊作は女らしくしなやかだ。後ろ姿を見ていると本当に女と間違えそうな位女らしい。
留三郎は外の気配に神経を向けつつ、壁に背を預けて目を閉じた。
妻の帰りを待つ普通の男を装った。
だが、留三郎がゆっくりしようとすると、屋根にポツッと何かが当たる音がして、次第にその数が増えていく。
雨だ。
伊作が出て行って暫くしてからの雨。
 
 
(あいつどこまで不運なんだ…?)
 
 
恐らく通り雨だ。
このタイミングで出て行くとは、流石伊作だ。
留三郎が外の様子を見に行こうとした時、伊作が毛布を抱えて戻ってきた。
なるべく毛布が濡れないように。
走ってきたから息が切れ、頬がほのかに赤い。
「少し濡れたな」
「でも毛布は大丈夫」
「毛布よりこのままじゃお前が風邪をひくだろ」
留三郎は自分の荷物から手拭いを出し、伊作の髪を拭いた。
「優しいね」
「今は夫婦だからな」
「そう…だね…」
今は何処で見られているかわからないから、伊作は着替えも出来ない。
髪を拭いてから着物も丁寧に吹いて、それから留三郎は伊作の肩を抱き寄せて毛布を自分達に巻いて頭から被った。
「留三郎?」
「昨日、怒らせたから触れるの我慢してたんだよ」
「我慢なんてしなくてよかったのに」
もうとっくに伊作の怒りなど消えていた事に、留三郎は気づいていなかったようだ。
「廃寺に行くのは今日の夜だからそれまでいいだろ?」
「仕方ないなぁ」
埃っぽい毛布の中で二人は手を強く握って、身体をぴったりと寄せ合わせて温もりを感じあっていた。

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