蜜柑 けまい15 忍者ブログ

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けまい15

久しぶりに話をアップしてみた。
やはりイベントで萌え補充すると書きたくなります。


しかし、暑い・・・
やはりこの部屋には午前中というか10時までしかいられません。

いつももんじとばかり勝負してる留ですが、伊作とだって勝負すればいいよ。
でも仲良しだからもんじみたいな争いはないのです。
とか思って書いてみた。がしかし、やはりまだまだ書き慣れないところがいっぱいあって、書きにくい・・・。





それではお話の続きはこちらから↓↓




勝負する事の好きな留三郎は、誰かに勝負を挑む事が多い。
勿論、勝負を挑むのは自分と同等の実力を持つ者か、それ以上の相手だった。
忍術学園の中では文次郎と勝負をしている姿がよく見かけられた。
文次郎と留三郎は合わないようで、二人はいつも喧嘩をするように争っている。
だから、仲のよい伊作と留三郎が争って勝負する事は殆どないのだが、ある条件が揃った時に二人の勝負が始まるのだ。
その条件とは、伊作、留三郎の二人が揃って学園の外に出て、尚且つ帰りが一緒になった時に限る。
二人が外に出ていても、帰りが同じにならなければこの勝負は始まらないのだ。
そして、この日はその条件が重なった。
 

 
『勝負だー!!』
 

 
勝負は忍術学園の門を潜り、留三郎の気合いの入った『勝負だー!』の声を合図に始まるのだ。
留三郎の掛け声で二人は自分達の長屋へと走る。
二人はどちらが先に長屋へ戻るかで勝負していた。
そして、勝負に勝った方は負けた方に『おかえり』と言って迎えるのだ。
たったそれだけの事だから、勝負に負けても『おかえり』が『ただいま』に変わるだけで何もない。
ただ留三郎曰く、

 
「『ただいま』より『おかえり』のが余裕があるっぽい」

 
という事だ。
何かに勝った気になるらしい。
留三郎の提案からこの勝負が始まったのだが、不運な伊作にしてみれば迷惑な話だった。
一度、勝負を止めないか?と提案しようと思った事もあったけれど、勝負をする前の留三郎があまりにも楽しそうにしているものだから伊作はそれを止めてしまった。
それに、勝負をしているうちに伊作もまた留三郎との勝負が楽しくなっていたのだ。
 
 
『勝負をするからにはやはり勝ちたい』
 
 
当然、伊作もそう思って挑むのだが、勝敗は留三郎に軍配が上がる事が殆どだった。
伊作は勝敗の最中に穴に落ちたり、池に落ちたりと障害物に引っ掛かってしまい、長屋にたどり着く頃には既にボロボロなのだ。
あまりにも勝敗が偏るから、留三郎が前に勝負を止めるか?と聞いてきた事があるが、伊作は『まだ勝ってない』キッパリと答えた。
 
いつもニコニコ笑っているが、伊作も留三郎に負けない位、負けず嫌いな性格なのだ。
それが、留三郎相手だと強く出る。
留三郎としては無傷で帰ってきても勝負をして学園内でボロボロになっているのもどうか、と思ってそう言ったのだが、伊作には頑固な所が少しある。
そして、この日も勝負も結局、いつも通りに伊作は勢いよく穴に落ちていた。
留三郎の背後から叫び声と大きな音が聞こえ振り向けば、伊作の姿はなく、砂煙が立ち上っている。
「伊作っ!」
思わず手を貸してしまいたくなって、いつものように伊作の方へと踏み出してしまうのだが、今は勝負の最中。
留三郎はニ、三歩踏み出した所で足を止めて、また全力で長屋へ向かい走る。
「何だよ、まだまだ元気なんじゃねーかっ!」
穴に近づくと伊作はすぐにはい上がってきたのだ。
服が泥で汚れてはいるけれど、怪我はないようで、伊作はまた全力で留三郎を追い掛けてきた。
「待て、留三郎っ!」
「勝負なのに待てるかっ!」
少しでも隙を見せれば伊作はすかさずそこをついてくる。
伊作は留三郎の甘さを知り尽くしているのだ。
だが、留三郎もそれを承知しているから途中で気付き、また勝負を再開させる。
 
 
結局この日の勝負は留三郎の勝ちで終わった。
 
 
やはり勝敗のカギは伊作が穴に落ちた事にある。
勝負をすれば必ず伊作は不運に見舞われるのだ。
 
 
そして、勝負に勝った留三郎は部屋入ってすぐの所で胡座をかき、後から部屋に入ってきた伊作に、
 
 
『おかえりっ』
 
 
息が切れているのを深呼吸で少し整えてから笑顔で言った。
それに対して伊作は、
 
 
『ただいま』
 
 
と、呼吸を整える事も出来ぬまま言う。
「今日も俺の勝ちだな」
「次は僕が勝つよ」
「その言葉何度も聞いたぞ」
「だよねぇ~」
伊作は小さく溜息をつき頭巾を外した。
そして、自分のスペースへ戻り洗濯してある忍装束と手ぬぐいを用意する。
「風呂か?」
「うん。穴に落ちたせいで泥だらけだし」
「じゃあ俺も行く。少し汗かいたしな」
そう言って留三郎も風呂の準備を始め、伊作はその背中をじっと見つめていた。
留三郎と風呂に入るのは久しぶりだった。
最上級生ともなるとそれぞれ生活の時間があって、いつも一緒にいる事が少ない。
日々の鍛練、委員会で時間が重なる時といえば寝る時位のものだった。
 
 
(久しぶりだな
 
 
それが嬉しくて伊作は笑った。
「何笑ってんだよ?」
「留三郎と風呂に入るのなんていつぶりだと思ってね。上級生になってからは一度もないじゃないか」
留三郎は勝負の後にいつも鍛練に出るか、委員会に顔を出すかのどちらかだった。
伊作も忙しければそのまま着替えて委員会に向かう。
だから二人が共に風呂に入る機会はあまりない。
でも留三郎はそんな事はあまり気にしてはいなくて、腕を組み暫く考えて、
「確かにないな」
と、自分の記憶にも伊作と風呂に入った記憶がない事を確認した。
「ねぇ、留三郎。今日は僕の髪を洗ってよ」
「何でだよ?俺、勝ったのに」
「勝ったからだよ。この勝負のせいで僕はドロドロだ」
そう言って伊作は泥で汚れた身体を見せ付ける。
「なんか納得いかねぇ」
「はははっ、僕が勝ったらその時はお前の髪を洗ってあげるよ」
「いつになるんだよ、それ…」
溜息混じりに留三郎が言うと、
「でも絶対勝つからそれまで待ってて」
と、伊作は満面の笑みでそう宣言した。

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